2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of metal-enzyme hybrid electrodes by using a microforming technologies
Project/Area Number |
26630370
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
山崎 徹 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (30137252)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 水素発生酵素 / 水素発生電極 / ナノポーラス / ナノ結晶組織 / アモルファス構造 / 金属ガラス |
Outline of Annual Research Achievements |
水の電気分解による水素ガスの製造には、一般に、Pt触媒を担持した脆い炭素製陰極が使用される。本研究では、水素発生酵素であるヒドロゲナーゼを担持するのに最適のナノスケールの細孔構造を有するナノ結晶合金および金属ガラス合金電極基板を作製し、高効率の金属-酵素ハイブリッド水素発生触媒電極の開発を試みた。また、生体酵素を安定して大量に水素発生させるために、生体酵素を含んだ帯電溶液を用いて、Ptフリーの大容量水素発生溶液型電極の開発を提案した。ポーラス化処理を行ったZr65Cu17Ni5Al10Pt3金属ガラス電極の表面観察を行ったところ、ナノ準結晶相を析出させた後にエッチング処理を行った試料で、緻密なナノポーラス表面構造が形成されていた。これら金属電極にヒドロゲナーゼを担持し、希硫酸溶中で電位-電流曲線を測定すると、約-0.6 V付近から水素発生による急激な電流増加が認められ、最大5 mA/cm2の大きな水素発生反応が認められた。 一方、さらなる水素発生電流の増加のためには、①電極表面のさらなる高比表面積化と、②ヒドロゲナーゼ担持量のさらなる増加が求められた。このため、ヒドロゲナーゼを電極基板上に担持することなく、ヒドロゲナーゼ含有の帯電溶液のままで、水素発生を行うPtフリーの溶液型水素発生電極の開発を試みた。電子伝達体であるメチルビオロゲン(MV)のみを添加した水溶液(a)と、MV+ヒドロゲナーゼの両方を添加した水溶液(b)を負に帯電させたところ、MVのみ添加した水溶液(a)では、MVが電子を受取って青色に呈色したが、MV+ヒドロゲナーゼを同時添加すると、青色に呈色したMVからヒドロゲナーゼが電子を受け取るため、MVは無色透明に戻ることになり、結果としては、溶液は発色しなった。以上の結果から、大規模水素発生に適した新しい溶液型水素発生電極の開発が可能であることを明らかにした。
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