2014 Fiscal Year Annual Research Report
アルミニウムの製錬、電気めっき、電池負極化にむけた室温低粘性DES電解液の設計
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26630380
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
邑瀬 邦明 京都大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30283633)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | アルミニウム / 電析 / 電池 / 電気めっき / 非水溶媒 / グライム類 / ジグライム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、有機スルホンとグライム類を混合とすることで、両者の特徴、すなわち低粘性や低揮発性をあわせもつ新規なDESを創製し、室温付近で金属Alを電析可能な浴を得ることを目的とした。研究ではまず、(1) DES構築による電解液創製を検討し、(2) それを用いたアルミニウム電析(電気化学実験)を行った。 使用するグライム類としてはdiglyme (G2)、triglyme (G3)、tetraglyme (G4)、およdiethylene glycol di-n-butyletherとした。スルホン類にはdimethyl sulfone (DMSO2)、アルミニウム塩にはAlCl3を用いた。その結果、グライム類とAlCl3の2成分系(モル比5:1)では、いずれも建浴可能なものの、グライム類の分子量増大とともに浴の粘性は増大し、伝導度に低下傾向が見られた。最も低粘性の浴が得られたG2/AlCl3系について、さらにDMSO2を添加したところ、DMSO2の添加による粘性の低下(電気伝導度の向上)はほとんど見られないことが判明した。そこで、電気化学測定はDMSO2を添加しないグライム類とAlCl3の2成分系を中心に調べることにした。 G2/AlCl3系以外の2成分系のボルタンメトリーには金属Alの析出/溶解波が観測されず、これはAlCl3とのモル比を変えても同様であった。一方、G2/AlCl3系からは、定電位電解により、平滑ではないが比較的緻密な金属Al薄膜を析出させることに成功した。Al電析の電流密度は、予備電解を行うことで改善した。また、浴温は60℃が最適であった。電析Alの平滑性改善を目的に3種類の添加剤、triethylenetetramine、1,10-henanthroline、dimethylamine hydrochloride を検討したが、効果はみられなかった。
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