2014 Fiscal Year Research-status Report
高活性水蒸気爆砕を用いたセルロース系バイオマスの水溶性糖類への直接変換
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26630399
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
中村 嘉利 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (20172455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 千鶴 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (50452652)
浅田 元子 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10580954)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオマス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、高活性水蒸気爆砕を用いた急熱加水分解・急冷減圧破砕操作によってセルロース系バイオマスをグルコース(バイオエタノール原料)やセロオリゴ糖(機能性食品素材)などの利用価値の高い水溶性糖類に直接変換するための新規製造法の開発を目的とする。高活性水蒸気爆砕(250-285℃, 5-7 MPa, 0.1-20 min)を用いてセルロース系バイオマス(綿100%セルロース)を高収率でグルコースやセロオリゴ糖に直接変換するための最適操作条件(水蒸気圧力および蒸煮時間)を決定した。セルロース分子量(グルコース重合度)は爆砕条件によって大きく変化したので、種々の水蒸気爆砕条件(試料仕込量、温度、圧力、反応時間等)での高活性水蒸気爆砕を試み、爆砕物の水溶性画分と水不溶性画分(セルロース残渣物)の割合を測定した。次に、水溶性画分にはグルコース以外にセロオリゴ糖や一部過分解物(フルフラール、5-HMF、有機酸)が含まれるので、HPLCでの分析を行い、グルコース以外のエタノール発酵可能な糖や発酵阻害物になる可能性のある物質の存在量を測定した。また、水不溶部に含まれるセルロースの重合度および結晶化度をカドキセン法とX線回折法によりそれぞれ測定することにより、残存しているセルロースの性状および構造変化について検討した。結果として、水蒸気圧力5.5 MPa, 蒸煮時間 5 minの高活性水蒸気爆砕により、綿セルロースの約50%がグルコースやセロオリゴ糖に加水分解されることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・高活性水蒸気爆砕により綿セルロースを処理した場合の生成物の性状および組成分析を行うことができた。 ・綿セルロースを水溶性糖類に50%程度まで直接加水分解できる高活性水蒸気爆砕条件を明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
・高活性水蒸気爆砕を用いて綿セルロースや他のセルロース系バイオマスをを高収率でグルコースやセロオリゴ糖に直接変換するための最適操作条件を決定する。 ・高活性水蒸気爆砕を用いたセルロース系バイオマスの水溶性糖類への直接変換プロセスの有用性・実用性を物質とエネルギーのフローおよび収支の解析、環境負荷低減への寄与、得られたグルコースやセロオリゴ糖の市場価値の検討などから検討する。
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Causes of Carryover |
現有物品の使用により、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
高活性水蒸気爆砕によって処理された種々のセルロース系バイオマスの性状変化と成分変化の分析と評価のための物品費や水蒸気爆砕等の実験補助のための謝金、研究調査旅費に使用する予定である。
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