2014 Fiscal Year Research-status Report
イオン交換法を用いた高比表面積VN/Cナノ複合粒子の合成
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26630402
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
鄭 国斌 長崎大学, 工学研究科, 准教授 (40346929)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | スーパーキャパシタ / 多孔質炭素 / イオン交換樹脂 / 窒化バナジウム / グラフェン |
Outline of Annual Research Achievements |
イオン交換樹脂の合成およびKOHの賦活処理により多孔質炭素の作製:レソルシノールとホルムアルデヒドの溶液にフェノールスルホン酸を加えてスルホン酸基を導入したsRF樹脂の合成に成功した。イオン交換性と親水性を持つsRF樹脂をKOHの処理により,高い表面積および2~20nmのメソ細孔を有する多孔質炭素を作製した。これは,KOHはsRF樹脂の内部に浸透し,炭素化・活性化際,KOHとの反応により効率的にメソ気孔を生成したためだと考えられる。このように得られた多孔質炭素は280 F/gという高い静電容量が得られた。一方,RF樹脂をKOHの賦活処理により得られた多孔質炭素には,2-3 nmの細孔は多いが,そのキャパシ静電容量は約210F/gであった。 C/VNの作製および電気容量:まず水熱法やイオン交換法によりVO2 またはV2O5ナノファイバーとグラフェンの複合体を作製し,窒化処理により,VNまたはグラフェン/VNナノ複合体を合成した。得られた電気容量は100 F/g未満であった。また,多孔質炭素にNH4VO3を含浸し,窒化処理により,多孔質炭素/VN複合体を作製した。その電気容量は約200 F/gに達していたが,多孔質炭素の280 F/g に及ばなかった。イオン交換法により多孔質炭素/VNを作製した。得られた複合体中にVNの量は数%程度で,高い電気容量がまだ達成できなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
イオン交換性樹脂の合成およびKOHの賦活により,高い静電容量を有する多孔質炭素が得られた。この部分は計画通りに進展した。 一方で,得られたVNナノ粒子は多孔質炭素の容量に及ばないため,その多孔質炭素/VN複合体は多孔質炭素の280 F/g以上の容量が得られない。その主な原因は窒化処理温度が高くて得られたVNの粒子サイズが50 nm-100 nmと大きいためだと考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
VNについては,ほかの研究者が幾つの論文が発表されたが,そのメカニズムが分からないところも多い。今後の研究には,VNの電気化学挙動を詳しく調べ,明らかにする。 VN粒子のサイズを制御するため,グラフェン,CNTおよび多孔質炭素との複合化により,その前駆体となる酸化バナジウムナノファイバーの凝集を防ぎ,窒化処理により,窒化バナジウムや酸窒化バナジウムの複合体を作成し,電気化学特性を解明し,高い静電容量を持つ材料を開発する。 イオン交換法により多孔質炭素/VNを作製時,窒化処理の温度や時間を変更して,粒子サイズがもっと小さなVNナノ粒子を作製し,その電気容量を向上させる。
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Causes of Carryover |
全部使い切ったと勘違った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
物品費として使用する。
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Research Products
(3 results)