2015 Fiscal Year Annual Research Report
フルフラール類を経由しない新しいバイオマス化学品合成ルートの開拓
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26630404
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
冨重 圭一 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50262051)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 触媒 / バイオマス / 脱酸素脱水反応 / 水素化反応 / レニウム / パラジウム / セリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究により見出されたパラジウム修飾酸化セリウム担持酸化レニウム(ReOx-Pd/CeO2)触媒が糖のモデル構造の一つと考えられる隣接水酸基を持った環状エーテルとして1,4-アンヒドロエリスリトールを反応基質とし、水素を還元剤とする反応に対して、高い収率(99%程度)でテトラヒドロフランを与えることを示した。さらに、この触媒は、反応基質として偶数個の炭素原子を含む糖アルコール(エリスリトール、ソルビトール)を用いた場合には、ジオールを、また、奇数個の炭素原子を含む糖アルコール(グリセリン、キシリトール)を用いた場合にはモノオールを高収率で与えることも示した。これらを踏まえると、ReOx-Pd/CeO2触媒は隣接水酸基を同時に除去して、水素に置き換える反応に極めて高活性・高選択性であるこということが分かる。触媒の構造解析の結果、CeO2表面上で安定化されて存在するRe種が+4価と+6価の酸化ー還元サイクルで進行する脱酸素脱水反応と、CeO2表面上に高分散したPd金属微粒子表面による炭素ー炭素二重結合の水素化反応が、逐次的に進行することで、全体の触媒反応が進行していることを明らかにした。特に、他の酸化物表面ではこのような機能がないことから、CeO2表面上で安定化されて存在するRe種の構造も極めて重要であり、触媒反応活性や触媒構造のRe量依存性の相関から、孤立して存在するRe種が主たる活性点となっていることも提案することができた。
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Research Products
(4 results)