2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26630410
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
満留 敬人 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (00437360)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 触媒 / 物質変換 / 光 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまでに、液相での金属ナノ粒子触媒による物質変換を行ってきた。その中で担体上に固定化した金ナノ粒子または銀ナノ粒子が酸素雰囲気下において、ヒドロシランと水やアルコールのカップリング反応を効率よく進行させることを見出した(T. Urayama, T. Mitsudome, Z. Maeno, T. Mizugaki, K. Jitsukawa, K. Kaneda,Chem. Lett., 2015, 44, 1062-1064)。 この反応機構を検討したところ、金属ナノ粒子から酸素分子への電荷移動が起き、金属ナノ粒子がルイス酸として機能していることが示唆された。本現象は光励起による金属ナノ粒子から担体への電荷移動で再現できるものと考え、嫌気雰囲気において光励起下でのシランカップリング反応を検討した。その結果、平均粒子径約3ナノメートルの金ナノ粒子を固定化した固体触媒では、活性の向上が観測された。一方、銀ナノ粒子を固定化した触媒では活性の向上は観測されなかった。金ナノ粒子触媒においては、まず、光励起による電荷分離が起きることで金ナノ粒子から担体へ電子が移動することで金がカチオン性を示し、ルイス酸性が向上する。その結果、ヒドロシランの水素をより強く活性化し、水、またはアルコールの求核攻撃が効率よく起こるため活性が向上したと考えられる。今後金属ナノ粒子の粒子径制御及び反応条件の最適化を行う。
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