2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630412
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
片田 直伸 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 和 工学院大学, 工学部, 教授 (30294341)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | メタン / 芳香族 / ゼオライト / 触媒 |
Outline of Annual Research Achievements |
芳香環のメタンによるメチル化について検討した.先行文献によるとAg/ZSM-5はベンゼンのメチル化に活性を持ち(ただし生成物分布が不自然で,やや疑わしい),Zn/ZSM-5もメタンの活性化能を有する(ただし分光学的にメチル基が観察される程度である).高Al濃度のZSM-5を担体とすることが共通しており,またその理由を示す理論もあるので,高Al濃度のZSM-5を担体とする触媒に絞って,メタンとトルエンからキシレン異性体混合物を生成する反応を固定床流通式で試みた. 当初キシレンを高い収率で生成する触媒(Ni/ZSM-5)を発見した.慎重に解析したところメタンは反応にほとんど関与しておらず,トルエンの不均化によってキシレンとベンゼンを生成する反応が進んでいることがわかった.ただしその速度は既知の触媒よりかなり速かったので,本研究の副次的成果としてトルエン不均化に有用な触媒開発を行った. 本来の課題に戻り,不均化によるノイズを排除するためにベンゼンとメタンの反応(トルエンないしはトルエン・キシレン混合物を生成する)を行ったところ,酸型ゼオライトにも多少の触媒活性が見られ,さらに,Co/ZSM-5に比較的高い活性が見られた.前述の痕跡量程度の反応とは異なり,明確にメタンとベンゼンからトルエンを生成する触媒反応が進行していたことが実証された.今後,反応条件と触媒の組成などの最適化を行い,ベンゼンとメタン2つあるいはメタンとトルエンからキシレンの生成なども検討する. シリカの化学蒸着による形状選択性の発現については,元となる反応は異なるが同じ原理でパラキシレンを選択的に製造できる条件を見出し,工業的に応用可能な成型触媒を作る手法も見出した.Pipeline Pilotを用いたゼオライトの最適構造の予測も大きく進み,ZSM-5の特異なイオン交換サイトが必要であることが明確となった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタンの芳香族化については検討が遅れているが,元々既存の文献もあるので次年度に検討できると予想される.芳香族のメタンをメチル化剤とするメチル化について,従来知られていなかった明確な触媒活性を持つ触媒を発見できたことは意義深い.形状選択性の付与,Pipeline Pilotによる計算など周辺技術の開発も進展しているので,平均して順調と言える.
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Strategy for Future Research Activity |
Co/ゼオライトを中心に組成を変え,芳香族のメチル化に最も高い活性を持つ触媒を絞り込む.これを用いてメタンの芳香族化も試み,活性が不足であれば芳香族化に活性な既知のMo/ZSM-5などを組み合わせ,メタンからトルエンやキシレンを製造できるかを検討する.最後に化学蒸着法による形状選択性の付与を行い,パラキシレンの選択的製造を実証する.
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Research Products
(3 results)