2014 Fiscal Year Research-status Report
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26630429
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
清水 一憲 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70402500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 英樹 大阪府立大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (30450894)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨格筋細胞 / 神経幹細胞 / バイオマイクロデバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
「構成要素への選択的な薬剤刺激が可能」かつ「神経細胞のシグナルで動く筋組織の収縮力変化を非接触・非破壊的に定量可能」という特徴を持つオンチップ神経支配筋組織の開発のため、2014年度は以下の項目を実施した。 (1)マイクロデバイスの設計・製作:神経細胞と骨格筋細胞の位置制御培養が可能なデバイスの設計・製作を行った。マイクロステンシル法、デバイス形状法、磁気パターニング法などの各種方法を組み合わせることにより、それぞれの細胞を位置制御しながら培養することが可能になった。次年度も引き続き設計・製作を継続し、最適設計を得る予定である。 (2)マイクロデバイス上での骨格筋組織構築:マイクロデバイス上で、マウス株化骨格筋筋芽細胞C2C12あるいはヒト初代骨格筋細胞を平面分化培養することに成功した。さらにそれぞれの細胞で、マトリゲルとフィブリンゲルに混合し、自己組織化現象を利用した組織構築に成功した。 (3)マイクロデバイス上での神経細胞培養:14日齢ICRマウスから神経幹細胞を初代培養した。特に、磁気パターニング法に用いる磁性微粒子がマウス神経幹細胞に与える影響を詳細に検討した。その結果、用いた磁性微粒子はマウス神経幹細胞の増殖・分化に影響を与えないことが明らかになった。 (4)マイクロデバイス上での神経筋接合部形成:デバイス上で、骨格筋細胞・組織と神経幹細胞をそれぞれ位置制御して長期間培養することに成功した。顕微鏡観察により、ニューロンに分化した神経幹細胞が筋管細胞上で神経筋接合部の形成していることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
交付申請書記載の研究実施計画に従い、研究を進めている。(1)のマイクロデバイスの設計・製作、(3)デバイス上での神経細胞培養、(4)のデバイス上での骨格筋細胞、神経幹細胞の共培養を行った成果の一部を国内学会で発表できた。このことは当初の計画以上であるが、(2)に関連した、筋組織の収縮力測定などのチャレンジングな項目ではやや遅れているため、全体的にみるとおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、当初の計画通り、(5)構成要素への選択的な薬剤刺激を行うためのデバイスを開発する。さらに本年度開発したマイクロデバイスや培養プロセスの最適化も随時行い、オンチップ神経支配筋組織を完成させる。
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Causes of Carryover |
研究は計画通り、おおむね順調に進んでいるが、消耗品の一部を予定より安価に購入できたため残金が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度請求した助成金と合わせて、計画通り適切に使用する。
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