2014 Fiscal Year Research-status Report
刺激応答性オイルゲルを用いた革新的タンパク質導入技術の開発
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26630431
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
通阪 栄一 山口大学, 理工学研究科, 准教授 (40363543)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンパク質導入 / 再生医療 / 界面活性剤 / 油水界面 / ナノ集合体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,細胞膜との親和性の高い脂溶性ナノ集合体が分散したオイル表面を利用し、この表面に細胞を接着・伸展させることで効果的なタンパク質導入を目指した。これまでの検討で,脂溶性集合体を含むPFC(パーフルオロカーボン)液体を細胞の成長足場として利用し,PFC液体/水界面における細胞培養とタンパク質直接導入法の検討を行った。結果としてPFC表面での細胞培養は,細胞の増殖・伸展を阻害した。しかし,その成長挙動は,表面改質物質として高い親油性を持つショ糖エステル型界面活性剤を添加することによって改善された。これは,表面改質物質と培地中のタンパク質の相互作用によって細胞のPFC表面への付着性が向上したためであると考えられる。また,タンパク質導入量の評価したところ,S/Oサスペンション(脂溶性集合体分散PFC)と細胞の接触で細胞内導入が促進されることが確認された。この時,集合体を培地に分散した場合のタンパク質導入効率が25%ほどだったのに対して,PFC相に分散させたS/Oサスペンションによる導入効率は57%であった。このことより,集合体を油相に分散させることが有効的であることも判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究目標としている油水界面での細胞培養とタンパク質導入を同時に行うことに成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の課題として,油相中への脂溶性集合体の分散性を向上させ,油相から細胞中へのタンパク質の輸送を向上させる。また,動物細胞へ任意のタイミングで効率的にタンパク質を導入できる生体適合性表面を構築する。そのために,細胞の接着・伸展が可能なS/Oゲル表面の構築とタンパク質の放出制御が可能な光応答性ゲルの調製を行う。これにより,任意のタイミングでタンパク質導入する細胞付着性ゲルの作製を目指す。
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Research Products
(2 results)