2014 Fiscal Year Research-status Report
レーザープラズマ風洞を用いた革新的アルミナ還元技術
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26630439
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小紫 公也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (90242825)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エネルギー / レーザー / アブレーション / 金属還元 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究でレーザー維持プラズマ(LSP)を用いた還元方法が研究されているが、LSPの超高温領域は密度が非常に小さく大部分のパウダーがLSPを迂回してしまい、還元されるアルミナの量は少量に留まっていると考えられる。そこで本研究では直接レーザー光を固体アルミナに照射し蒸発させるレーザーアブレーション法を用いた。LSPを介さないためエネルギーロスも少なく蒸発、還元量が大幅に向上することが期待される。 真空引きされたチャンバー内に円柱状のアルミナロッドを設置し、アルゴンを雰囲気ガスとして流しながら1kW級炭酸ガス連続発振レーザーから出力されたレーザー光を一度ビームエキスパンダーによりビーム径を拡大し、集光レンズにより集光してチャンバーのZnSe窓を通してロッドに照射した。アルミナロッドは、そのままレーザーを照射すると熱衝撃で破壊してしまったので、銅製のホルダーに差し込み支持することによって破壊を防いだ。 ロッドの半分のみ差込み、半分はロッドから突き出す突出型とロッドを全てホルダーに埋め込む型の2通りでアブレーションを起こしたが、発光分光によるとアルミ原子、イオンのスペクトルがほとんど見られず、どちらも十分な還元反応が起こっていないことが示唆された。測定された連続発光スペクトルにプランク関数をフィッティングして求めたガスの輻射温度は約5,100K~5,200Kで、アルミナの乖離温度である5,500Kに僅かに届いていないことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1kW炭酸ガスレーザーを固体アルミナにレーザーを直接照射し、大量のアブレーションを起こすことに成功した。これは、200W固体レーザーを用いた昨年度の実験と比較して約10倍のアブレーション量であった。
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Strategy for Future Research Activity |
十分なアブレーション量は得られたが、解離温度には至っていない。今後は、2焦点レンズを用いてLSPとアブレーションを組み合わせるなどの工夫を試みる。
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Causes of Carryover |
年度末に購入した部品一式の価格が、当初の見積よりも安く済んだため、余剰金が生じた。本年度の実験計画としてこれ以上部品を買う必要がなかったため、来年度の実験に有効に利用することとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の部品費として有効に利用する。
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