2014 Fiscal Year Research-status Report
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26630440
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
今村 太郎 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30371115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金崎 雅博 首都大学東京, システムデザイン研究科, 准教授 (10392838)
千葉 一永 北海道科学大学, 工学部, 准教授 (50450705)
松野 隆 鳥取大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (90432608)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 航空機空力デバイス / 風洞試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、新しい空力デバイス、航空機の主翼平面に対して垂直に取り付けられた操舵面(以下、垂直フィン)の空力特性を明らかにする事を目的とする。応募の前に行った実験では、テーパー・後退角無のない矩形形状の垂直フィン(1形状のみ)について空力特性取得し、その有効性を確認した。垂直フィンの取り付け角を適切に変化させることで、誘導抵抗を低減(主翼のスパン方向揚力分布の制御)し、最大揚力を増やせる(垂直フィンによる主翼上面流れの制御)ことが明らかになった。平成26年度は、既に取得したデータに対するデータマイニングを実施し、垂直フィンのスパン方向取付位置や取付角度に対する体系的な解釈を深めた.得られた結果については、米国航空宇宙学会主催の講演会(Sceitech2015)にて口頭発表を行った.一方、垂直フィンの形状を特徴づける設計変数に対する空力特性を解明するために、テーパー比やアスペクト比、翼面積など、影響が大きいと思われるパラメータを選択し、風洞試験を実施した。その結果、以下のことが明らかになった。 1)垂直フィンにテーパー比を付けることやアスペクト比を大きくすることによる垂直フィン自身の誘導抵抗の減少は確認できなかった。 2)翼面積を小さくした垂直フィンを装着した形態では、垂直フィンが主翼の空力性能に与える影響も小さくなることが確認された。逆に、翼面積を大きくした垂直フィンを装着した形態では、垂直フィンが主翼の空力性能に与える影響に変化は見られなかった。 3)垂直フィンなしの形態や矩形形状の垂直フィンを装着した形態よりもオズワルドの効率係数が改善される形態があることが観察された。これには垂直フィンのスパン長の長さ(もしくは主翼に対するコード方向の取付位置)が影響していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究で対象とする垂直フィンの設計変数は、①翼根長、②翼端長、③アスペクト比、④スパン長、⑤後退角、⑥主翼スパン方向取り付け位置、⑦主翼コード方向取り付け位置、⑧主翼に対する取り付け角度、⑨舵角、など多数ある。そこで、次に風洞試験を行うべきケースを一種の最適化問題と捕え、実験計画法・近似関数法・最適化法を組み合わせた効率的な最適化法を試験計画効率化支援に用いる予定である。それに備え、平成26年度はこれらの設計変数の中で、特に感度が大きいと予想される変数を抽出し、その感度解析を実施した。感度のあるパラメーター、感度のないパラメーターについて明らかになりつつある。従って、二年目に向けて順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の結果を踏まえ、ある特定の目的関数について最適化するのではなく、垂直フィンの空力特性をより詳細に調べる事を目的として、実験計画法・近似関数法・最適化法を組み合わせた効率的な最適化法を試験計画効率化支援に用いる。実験に関しては、力計測を継続するとともに、実験データのデータマイニングや実験装置の改良に取り組む。
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Causes of Carryover |
平成26年度は、研究分担者も含めて抑制的な予算利用をお願いした。これは、平成27年度に本格的に実施する風洞試験において生じる可能性がある、機器の不具合に備えるためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度は、風洞試験関連機材の購入、効率的な最適化計算やデータマイニング用の計算機の購入、研究成果発表のための旅費等に利用予定である。
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Research Products
(5 results)