2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630452
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
日野 孝則 横浜国立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60373429)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 船舶流体力学 / 計算流体力学 / 水槽試験 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、初年度である平成26年度は重合格子法をベースに用いて、定常状態に対応した試験水槽シミュレータの基本部分を開発した。重合格子法は、計算領域を互いにオーバーラップを許容した複数の格子ブロックでカバーし、それぞれのブロックの解を相互に補間することでカップリングして、全体の流場を求める手法である。ここでは、水槽形状をモデル化するブロックと船体まわりの領域をモデル化するブロックを用いて、試験水槽シミュレータを構成する。水槽形状のモデル化および水槽壁境界条件を検討し、抵抗試験におけるブロッケージ影響の評価を試行した。小型水槽における小型模型での抵抗試験、同じ小型水槽における大型模型による抵抗試験を試験水槽シミュレータで解析し、無限領域におけるシミュレーション結果と比較した。小型模型による抵抗試験シミュレーションは無限領域における結果と大きな差はなく、この場合はブロッケージ影響が無視できることが分かった。一方、大型模型による抵抗試験では模型と水槽壁の距離が小さいので、壁の影響が大きく受けることが示された。さらに、水槽壁の境界条件については、いくつかの候補を検討した。 また、実際の水槽試験を行い、シミュレーションと比較するための抵抗試験および模型船を走らせた後の残留流れを計測した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画では、初年度には定常状態に対応した試験水槽シミュレータの基本部分を開発し、2年度目は、計算手法を非定常状態に拡張し、模型船加速の影響の検討、自航試験シミュレーションの検討を行う。最終年度は、水槽全体形状をモデル化し、動的重合格子法により模型船の航走をシミュレートする方法を開発することとしている。初年度は、計画通り試験水槽シミュレータの基本部分を開発した。重合格子法による水槽形状のモデル化については、問題なく達成し、水槽壁面条件についてもいくつかの候補を検討した。 以上により、研究は当初の計画通り進捗していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
計画に従い、2年度目の平成27年度は、非定常状態に拡張する。そのためには、動的重合格子法の開発が必要となる。重合格子法では、異なる格子ブロック間の情報交換のためにブロック間で変数の補間を行っているが、動的重合格子法では、補間する変数の位置が時々刻々変化するので、その都度補間対象を探索することになり、この処理の効率性が極めて重要となる。 また、自航試験シミュレーションを行うための、プロペラモデルの検討を行う。
|
Causes of Carryover |
物品費が想定よりも少額であったためである。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度予算と合わせて、物品費、旅費、消耗品費として支出の予定である。
|