2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26630453
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
飯島 一博 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50302758)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | risk analysis / large floating structure / collapse / nonlinear behavior / particle method / scaled model / extreme event / hydroelastoplasticity |
Outline of Annual Research Achievements |
大型浮体は大型港湾施設,石油ガス生産のための中継基地,空港などのインフラ設備として利用されうる.このような大型浮体の極限荷重下でのリスク評価は工学者に課される重要な課題である.極限荷重には例えば数万年に一回生じうる極限波浪や津波などが含まれる.本研究ではこのような極限荷重を再現するために非線形手法である粒子法を適用し,構造物の非線形挙動を含む構造要素と連成させることで,大型浮体の極限海象中の挙動解明を試み,開発した手法を縮尺模型を用いた水槽試験により検証した.緊張係留された大型ブイの係留の極限海象下の挙動,超大型浮体の流力弾塑性挙動,洋上大型風車の異常荷重作用時の崩壊挙動を対象とした. 具体的には流体力評価の際に,粒子法プログラムであるSPHysicsを用いた.構造部分には大たわみ・微小ひずみの仮定の元で,線状構造物のための動的な有限要素梁モデルに基づく解析法を開発し,ふたつの解析方法を連成させることで緊張係留されたブイの極限海象中の応答を解析した。リンギングとして知られる,青波の下での衝撃荷重に起因する係留索張力の過渡振動応答を再現した。また,緊張係留されたブイモデルについて実験による検証を行った。 次に多数の小浮体の非線形流体力学相互干渉効果を考慮して、各浮体に作用する荷重を求めた。各小浮体は梁でつながれており、全体として流力弾性挙動するとして浮体応答を解析した。浮体の一部には塑性変形する機構をモデル化した.実験模型による水槽実験を行い,別途開発したポテンシャル理論に基づいた解析方法も検証に用いて,大型浮体の極限海象中の崩壊現象の特性を明らかにした.さらに,大型洋上風車についてブレードのピッチ制御に失敗した場合の異常荷重をFASTと称されるプログラムでモデル化し,洋上大型風車のタワー基部の崩壊挙動シミュレーションを実施した.
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