2015 Fiscal Year Research-status Report
粒子法と有限要素法を組み合わせた強非線形流体・構造連成解析法の構築
Project/Area Number |
26630454
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
橋本 博公 神戸大学, 海事科学研究科(研究院), 准教授 (30397731)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 粒子法 / 有限要素法 / 流体・構造連成解析 / SPH / MPS / 強非線形流れ / 海水打ち込み / スロッシング |
Outline of Annual Research Achievements |
海水打ち込みやスロッシングなどの強非線形流れと構造物の変形を連成させて解くため、粒子法と有限要素法を組み合わせた強非線形流体・構造連成計算手法の構築を行っているが、昨年度に実施した研究により、流体ソルバーに半陰的MPS法、構造ソルバーに陽的有限要素法を用いた場合には、両ソルバー間の計算タイムステップが3桁異なることが判明した。このような大きなタイムステップ差は計算の不安定化や精度の低下を招く恐れがあるため、陽的粒子法と陰的有限要素法の組み合わせを新たに検討することとした。
従来から完全陽解法の粒子法として知られるSPHについてはオープンソースのSPHysicsコードを使用し、流体ソルバーとして海水打ち込み問題への高い適用性を確認した。一方、従来は半陰解法として知られていたMPS法についても陽的な時間発展アルゴリズムが提案されており、この陽的MPS法を石油タンクのスロッシング問題に適用し、計算格子を用いる格子法CFDに対する優位性を確認した。
いずれの問題に対しても、実用的には大規模な数値計算が求められるため、SPH、MPSのソルバーにはGPUコンピューティングに対応した計算コードを使用している。海水打ち込みについては船体全体の構造応答と入射波の相互干渉、スロッシングについては液面動揺と浮き屋根の構造変形の連成影響を検討するため、これらの流体ソルバーと組み合わせるべき陰的有限要素法のコーディングを行った。この構造解析コードについてもGPU利用によって計算速度を加速させることが望ましく、NVIDIA社のCUDA開発環境を用いて流体・構造連成ソルバーの構築に取り組んでいるところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は陽解法型の流体ソルバーであるSPHとMPSと組み合わせるべき、陰的有限要素法の基礎的なコーディングを行った。流体ソルバー側がGPGPU対応コードとなっており、構造ソルバー側もGPGPUに対応させて、大規模な流体・構造連成問題への適用を可能とすることが今後の発展性を考えるうえで理想的である。そこで、GPU上で実行が可能な構造解析ソルバーのコーディングを行っているが、時間不足もあり未だ完成には至っておらず、当該年度の計画に対して研究がやや遅れているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
GPUコンピューティングに対応した陰的有限要素法のコーディングを早期に完了させ、構造応答を含めた海水打ち込み時の船体応答問題についてはSPHと組み合わせて、浮き屋根の変形を含めた石油タンクのスロッシング問題についてはMPSと組み合わせることで、従来の計算手法では実施が困難であった強非線形流体・構造連成解析を実施し、強非線形流れと構造応答の連成考慮の重要性について検証する。さらには、2次元水槽において流体・構造連成計算手法の検証用実験を実施することで、開発した解析ツールの妥当性や計算精度についても検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
有限要素法のGPGPUコード化が遅れており、計算精度検証用の実験物品の購入を見送ったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計算精度検証用の実験物品の購入費として使用することを予定している。
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Research Products
(4 results)