2015 Fiscal Year Research-status Report
天然CaCO3コンクリーションによる透水性亀裂シーリングのナチュラルアナログ研究
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26630464
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
吉田 英一 名古屋大学, 博物館, 教授 (30324403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
城野 信一 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (20332702)
丸山 一平 名古屋大学, 環境学研究科, 准教授 (40363030)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 球状炭酸塩コンクリーション |
Outline of Annual Research Achievements |
炭酸カルシウムは、地球上でも非常に豊富に存在し、また無害で用途にも優れた元素、素材である。その長期的な天然環境中での挙動を理解することを目的に、炭酸塩コンクリーションの割れ目/亀裂充填に関するナチュラルアナログ研究として、愛知県師崎地域に分布する地層中から産出する砂もぐり(シャコエビの一種)の爪を中心に形成されたコンクリーションの調査を行い、併せて岩石試料等の分析を行った。 その結果、これまでの実施してきたツノガイコンクリーションの場合とも同様に、炭酸塩コンクリーションの形成は、「砂もぐり」の爪部分の有機体の腐食に伴う非常に早い反応でのコンクリーション形成であることが示唆された。また、これらのコンクリーションは、100-200mのある程度の深さで形成されたとも同じ層中から産出する「ゲンノウ石」からも判断された。これまで、これらの炭酸塩コンクリーションの成因については、全く分かっていないのが実情あった中で、今回の現地調査および化学的分析の結果、全体的に温度の低い条件下において、砂もぐりの死後、爪部分の有機体の腐食と、それに伴う腐植酸の形成と拡散、そして周辺海水中の炭酸カルシウムイオンとの急速な反応によって生じたと考えられることが判明した。その形成速度は、ツノガイの事例とも比較すると、おおよそ死後数週間程度で形成された可能性が高い。このような結果は、世界的にも初めての成果と言えるものであり、Nature系の電子版Scientific Reportsに掲載された。 今後は、これらの現地での状態ならびに分析結果を用いて、さらに詳細な形成メカニズムについて言及していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
球状コンクリーションの調査は、概ね初期の予定通りに進行している。また、周辺の地質調査も併せて実施しており当初予定していた地質情報は準備された状態にある。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、申請予算の最終年度として、調査内容に基づいて分析のほか、実験を行う。また形成速度に関しては急速に形成されるとの報告もなされており、今後、その検証を行う予定である。とくに、同位体分析は重要であり、異なった種類のコンクリーションについてのデータの蓄積を行っていく。
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Causes of Carryover |
野外調査に関する物品費/消耗品費が抑えられたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
生じた次年度使用額については、今年度予定の検証実験に活用の予定。
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Research Products
(1 results)