2014 Fiscal Year Research-status Report
JxB駆動循環型液体金属ダイバーター概念の原理検証実験
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26630475
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
廣岡 慶彦 核融合科学研究所, ヘリカル研究部, 教授 (60311213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 道也 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 核融合研究開発部門, 嘱託職員 (90725764)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 磁場閉じ込め核融合炉 / プラズマ-壁相互作用 / ダイバーター / 液体金属 / 熱粒子制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、現在、磁場閉じ込め核融合炉開発に於いて喫緊の課題である周辺領域に於ける熱粒子制御の問題を解決するため、従来、タングステン等高融点金属が用いられてきたダイバータープラズマ対向表面に液体金属を採用し、しかも、それに電流を流して閉じ込め磁場との相互作用:JxBを用いて流動させる画期的な「強制撹拌液体金属ダイバーター(Actively Convected Liquid Metal Divertor)コンセプトの原理検証を行う事を目的とするものである。 平成26年度中に、実験室系テーブルトップ型原理検証装置を設計製作し、常温で液体であるGaInSn共晶合金を用いて、実際にJxB力によって上記ACLMDの原理検証に成功した。 この原理検証実験は、2段階で行われた。第一段階の実験装置では、予算面の制約から中心電極をステンレス製、外側電極をアルミ製としたセットアップにGaInSnを満たし約50アンペアの直流電圧を掛けたところ、アルミ外側が溶融した。これは、イオン化傾向が異なる金属を用いたためであることが判明した。第二段階の実験装置では、外側電極もステンレス製にして約60アンペアの電流を流したところでJxB力によりゆっくりとGaInSnが回転することが確認できた。しかしながら、この回転運動も約1分後には、停止してしまった。これも、何等かの電気化学的な原因であると考えられるが、詳しい原因は現在調査中である。通電によるジュール加熱効果により、電気化学反応が加速される傾向があり、今後は、磁場を増強して電流を制限する方向で実験を進めて行く計画である。 これらの成果は、2015年度EPS(European Physical Society)とANS-TOFE(American Nuclear Society, TopicalMeeting on the Technology of Fusion Energy)に於いて口頭発表された(ANS-TOFE発表は、招待講演)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記のように、本研究の目的としてのJxB力を用いた拌液体金属ダイバーター原理検証に成功している。
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Strategy for Future Research Activity |
原理検証に続いて行うべきは、液体金属流動中の電場分布、液体金属による電極腐食、液体金属(GaInSn)自身の雰囲気気体との反応による腐食、或いは、それによる必要駆動力への影響等を調査する計画である。
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Causes of Carryover |
強制撹拌液体金属ダイバーター原理検証実験セットアップの製作に予定以上の予算を必要とした為、次年度から前倒しで予算を執行した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記執行された残額予算で平成27年度の研究計画を遂行する。
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Research Products
(5 results)