2015 Fiscal Year Annual Research Report
廃菌床バイオマットを用いる森林汚染源からの放射性Csの新規流出防止法の開発
Project/Area Number |
26630489
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
大貫 敏彦 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究員 (20354904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 文徳 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究員 (60391273)
香西 直文 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 先端基礎研究センター, 研究員 (80354877)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 放射性セシウム / 森林汚染 / 核種移行 / 廃菌床 / 回収 |
Outline of Annual Research Achievements |
シイタケなどの食用きのこを栽培した廃菌床を用いて、森林における放射性Csの回収試験を行った。破砕した廃菌床を0.35x0.55mのタマネギネットに約5kg封入し、福島の森林に設置した。回収試験では、3種類の異なる条件で廃菌床ネットを設置した。1つめは、廃菌床ネットをそのままリター層の上に設置したものである(そのまま)。2つめは廃菌床を設置したリター層表面で高い位置にゼオライト設置し、表層水が廃菌床ネットに流れ込まないようにしたものである(ゼオライト設置)。3つめは、廃菌床を木製に覆いで囲み、地表面以外からの経路を遮断したものである(箱囲い)。これらの条件で、訳に2ヶ月廃菌床を静置した。さらに、林内雨による放射性Csの移動の有無を調べるため、廃菌床ネットを樹木枝につるした。回収した廃菌床をガンマ線スペクトロメトリー装置により、放射性Cs濃度を測定した。その結果、廃菌床中の放射性Cs濃度の序列は、そのまま>ゼオライト設置>箱囲い となった。一方、樹木につるした廃菌床ネットにも放射性Csの濃集が認められた。したがって、森林に廃菌床を設置した場合、リター層からの濃集以外に、地表を経る経路、及び林内雨により運ばれる経路が寄与していることが分かった。 以上の結果から、森林に廃菌床を設置する方法は、リター層などから放射性Csを濃集するだけでなく、林内雨などによる放射性Csの広域への拡散を防御する方法である、有効な方法であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)