2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26630491
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
能村 貴宏 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), その他 (50714523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 友宏 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50175808)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 省エネルギー / 蓄熱 / ガラス化 / 潜熱蓄熱 |
Outline of Annual Research Achievements |
潜熱蓄熱は相変化物質(Phase Change Material: PCM)の固液相変化潜熱を利用し、高密度蓄熱、変動熱源の恒温熱源化が可能な蓄熱法で未利用熱利用に最適である。しかし、既往の潜熱蓄熱法は長期間の熱貯蔵・輸送が不可能かつ液体状態のPCMで熱貯蔵するため、液体PCM漏出防止のためのカプセル化技術が必要である。そこで本研究では、ガラス化現象を潜熱蓄熱に応用し、カプセルレス熱輸送を実現する第三世代「ガラス化利用型」潜熱蓄熱技術の創成を目的とした。H26年度は特に未利用熱の5割以上を占める150度以下の熱源の回収を目的として糖アルコール類系第三世代ガラス化PCMの開発を実施した。 単体糖アルコールの熱分析の結果、マンニトール、ズルシトール、イノシトール、マルチトール、キシリトール、アラビトール等の糖アルコール単体は容易にガラス化するが、そのガラス転移温度は極めて低い(マルチトールは除く)ことが分かった。 一方、ガラス化温度向上のため上記糖アルコール単体の共晶化合物を調整したところ、マンニトール、ズルシトール、イノシトール三元系共晶化合物は15度以上にガラス転移温度を持ち、かつ容易に冷結晶化して潜熱を放熱可能であることを発見した。またこの三元系共晶化合物の蓄熱放熱サイクル試験を実施したところ、昇温速度、冷却速度の一定の条件下では融点、ガラス転移点、冷結晶化温度、融解潜熱、結晶化潜熱の全てが各サイクルでほぼ一致し、本研究で提唱しているガラス化利用型潜熱蓄熱システムに適用可能であることがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度予定していた新規ガラス化潜熱蓄熱材の開発に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
H26年度は共晶化することで、ガラス転移温度の高い糖アルコール系潜熱蓄熱材の開発に成功した。今後はガラス化温度が室温以上のガラス化潜熱蓄熱材開発のため、メソポーラス材料と蓄熱材の複合化や、糖アルコール以外の有機化合物の添加などを試行する。また、本年度得られたデータをもとにシステム設計を実施する予定である。
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Research Products
(6 results)