2014 Fiscal Year Research-status Report
ソーラー水素製造用の太陽熱/光分解性反応性セラミックの開発
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26630495
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
郷右近 展之 新潟大学, 研究推進機構超域学術院, 准教授 (20361793)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 水素 / 反応性セラミック / 高温太陽熱 / 水熱分解活性 / 光活性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,高温太陽集熱をエネルギー源とする二段階水熱分解サイクルの反応媒体として従来検討されてきた反応性セラミックに太陽熱水分解活性と光活性を付与する水素製造用の新規反応性セラミックの開発に挑戦する。26年度は下記の研究成果が得られた。
研究代表者は反応性セラミックである金属酸化物をPechini法や錯体重合法を改良した手法を用いて光活性を有する金属酸化物をドープする手法により合成した。粉末X線回折により,この金属酸化物はペロブスカイト構造を持つ金属酸化物であることを明らかにした。この合成後および二段階反応前後の反応性セラミック粉体について,熱化学および光触媒化学の観点から結晶構造および反応解析を行った。この反応性セラミック粉体について,固定層式水分解反応器による反応試験を行ったところ,酸素放出と水素生成が認められ,ペロブスカイト構造を持つ金属酸化物は水分解能を有することが見いだされた。系統的に化学組成を変化させて,二段階反応を行うことにより水分解能の活性向上と化学組成との関連について調査した。熱分解活性のみによる二段階反応と比べて、熱活性と光触媒活性による二段階反応では,還元反応が低温化する傾向が見いだされた。もう一方の反応である水分解反応については,反応性セラミックの化学組成により水素生成能が異なることが見いだされた。今後の研究では,酸素放出性能と水分解性能を共に向上させる化学組成を調査する計画である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
反応性セラミック粉体の合成、その反応性セラミックについての固定層式反応器による反応試験、さらに結晶構造解析・固体化学の観点からの反応解析を行うなど、おおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
反応性セラミック粉体の活性向上に向けて,化学組成やドーピングイオン種の再検討などを行う予定である。
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Causes of Carryover |
物品費と旅費で使用した残額である。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
合成する反応性セラミックの試薬,反応試験のためガス類・配管類などの購入に使用する予定である。
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