2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on technologies for recycling of carbon dioxide to fuels using a mid-infrared Ho laser
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26630498
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 篤 東北工業大学, 工学部, 准教授 (00322686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸尾 容子 東北工業大学, 工学部, 教授 (50545845)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エネルギー生成 / レーザ / 光触媒 / 二酸化炭素 / 中赤外 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、金ナノ粒子を修飾したTiO2(以下、Au/TiO2)触媒を利用しCO2からメタンなどのガス燃料を生成するためのCO2リサイクルシステムの構築と、それに波長2.05μm中赤外レーザを導入しCO2を振動励起することによる高効率メタン生成の実現可能性の検証を行った。平成26年度には中赤外レーザの開発及びAu/TiO2触媒の作製・評価法の確立を行い、平成27年度には開発した中赤外レーザを導入したCO2リサイクルシステムを構築した。しかしながら、CO2からのメタン生成は確認できたものの中赤外レーザ光のメタン生成への寄与は明確になっていなかった。これらの結果を踏まえ、最終年度は、中赤外レーザの平均パワーを約10倍に向上させると共に、これまで触媒表面に直接照射する形で導入していた中赤外レーザ光のCO2での吸収効率を高めるため、レーザ光が触媒表面上を複数回往復するように励起光学系を再構築した。また、用いたAu/TiO2触媒は堆積沈殿法でpH条件が6で合成したAu/TiO2の組成分析及びTEM観察を行なった結果、Au粒子のサイズは平均20 nm、含有量は重量比で1%、TEM画像の面積比で数%以内であり、TiO2表面はほとんどAuナノ粒子と接触していないことが明らかになった。ただしAu含有率が低いにもかかわらずメタン生成の触媒性能は3倍向上しており、レーザ照射の効果を検証するのに十分な生成量であると判断し、この条件で生成したAu/TiO2を石英ろ紙上に固定して評価に用いた。これらの結果、波長2.05μm中赤外レーザ光照射の有無によるメタン生成効率の違いが明確に確認でき、レーザ照射下ではレーザ照射のない場合に比べ、約1.7倍のメタン生成効率が得られることを実証した。今後、異なる照射条件あるいは触媒作製条件での実験を進め、さらに安定かつ高効率なメタン生成の実現に取り組む。
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