2016 Fiscal Year Annual Research Report
Research on fundamental technologies for a tracking-free, highly-efficient concentrator photovoltaic system
Project/Area Number |
26630499
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
藤枝 一郎 立命館大学, 理工学部, 教授 (90367996)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 蛍光 / 発電 / レーザー / ディスプレイ / 自己吸収 / 液晶 / 日影曲線 |
Outline of Annual Research Achievements |
Luminescent Solar Concentrator (LSC)は,太陽追尾が不要の集光型発電システムとして期待されているが,蛍光の自己吸収という課題があり,未だに実用化されていない.本研究では前年度までに,LSCに液晶/色素技術を適用して発電効率が向上することを示した.また,LSCにレーザー光を入力して画像を表示する「発電するディスプレイ」を考案した.H28年度の主な成果は次の2つである. 第一に,「発電するディスプレイ」を試作した.具体的には,2枚の透明基板で薄い蛍光体層を挟んで蛍光スクリーンを構成し,端面にフォトダイオードを配置して蛍光を電荷に変換した.青色レーザーを用いてこのスクリーンに約10cm角の面積の動画を表示し,投入した光のパワーの約70%を回収できることを示した.この成果は12月に開催された国際会議でも実演した.一方,次の2つの課題が明らかになった.まず,斜め観察時にはゴースト像が現れる.また,小型のモジュールを併置して大面積化すると,モジュールの端部には太陽電池があるため画像を表示できない.これらの課題を解決する新構成を考案し,3月下旬に2件の特許を出願した.並行して投稿した論文は4月4日に掲載された. 第二に,蛍光体による自己吸収を低減するために,これも独自構成のLSCを試作した.日影曲線状に蛍光体を配置し,レンズや曲面状の鏡を用いて太陽光を蛍光体に集める.時刻や季節が変わっても常に太陽光は蛍光体に到達するので,集光型でありながら太陽追尾が不要になる.対照実験として蛍光体を一様に配置したLSCも試作した.両者の特性を比較することで新構成の効果を確認し, 3月の応用物理学会春季学術講演会でこの成果を報告した. 今後は「発電するディスプレイ」の研究を継続し,発電効率,画質,面積,等の性能を向上させる.
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Remarks |
(1)は立命館大学の研究者のホームページで研究概要を紹介したもの. (2)はJST新技術説明会(2017年3月7日開催)での講演をJSTがビデオ撮影したもの.
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