2016 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation on Magnetoreception in Human
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26640006
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Research Institution | Chukyo University |
Principal Investigator |
高橋 康介 中京大学, 心理学部, 准教授 (80606682)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 認知科学 / 感覚知覚 / 磁気 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初2年間の研究計画であったが、1年間研究期間を延長して、磁気知覚の発見に向けた更なる工夫により研究をすすめることとした。前年度までに作成した磁気及び音実験刺激提示装置を利用して、磁気知覚の存在を示唆する証拠を得るための実験を複数行った。前年度までの結果から、少人数への長時間順のよりも大規模サンプルに対する磁気知覚能力者の発見を第一の目的とした。大規模サンプル用の磁気知覚実験として、短時間順応の前後に4度の磁気知覚テストを含むプロトコルを開発し、75名程度の実験参加者に対して実験を実施した。実験においては、2肢強制選択法により、バイアスを取り除き、磁気を検出できるかどうかを客観的に定量化する指標を用いた。 実験を行ったところ8000試行以上のテストに対して正答率が50%から統計的に有意に逸脱しないという、(少なくとも本研究で用いたプロトコルにおける)磁気知覚の顕在化の不可能性を強く示す結果が得られた。申請段階で磁気知覚の発見に成功する可能性を5%程度と見積もっており、発見していない現状は予想外の状況ではない。本研究の結果は、これまで度々検証されてきた磁気知覚の可能性について、少なくとも単純な磁気刺激では不可能である、ということを示唆するものであり、Null Resultとして研究報告を行う予定である。 本科研費補助事業に関連して、心理学的な磁気知覚研究の紹介として、「ヒト磁気知覚の可能性と現状.」というタイトルで第40回日本磁気学会学術講演会にて研究発表を行った。
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