2014 Fiscal Year Research-status Report
脳機能解析に特化した全哺乳類胚への応用可能な一世代遺伝子改変動物作成法の開発
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26640007
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
崎村 建司 新潟大学, 脳研究所, 教授 (40162325)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 遺伝子改変動物 / CRISPR/ Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マウスだけでなくラットやマーモセットなどこれまで遺伝子改変が困難であった動物にも一世代で任意の標的遺伝子の機能解析を可能とする、簡便なコンディショナルノックアウト動物作製技術を開発することである。このために、CRISPR/ Cas9システムを利用し、Cas9を持つトランスジェニック動物胚を利用して、既存のCreまたはtTA/rtTA発現システムを組み合わせて適用することで、マウスのコンディショナルターゲティングに相当する遺伝子改変動物の作出を試みる。 平成26年度においては、計画通りCre活性依存的またはテトラサイクリン誘導系でCas9タンパクを発現するマウスをES細胞から作製することができた。現在、既存のCre発現マウスまたはtTA/rtTA発現マウスと交配し、細胞種、時期選択的Cas9タンパク発現マウスを作製中である。また、レンチウィルスベクターによりsgRNA発現トランスジェニックマウスを作製するため、sgRNA発現カセット等を組み込んだプラスミド及びレンチウイルスベクターを数種類作製し、遺伝子変異導入の条件検討を行った。また、マウス初期胚へのレンチウイルスベクターの感染効率について検討を行った。平成27年度には、これらのマウスにおけるCas9の発現を確認した後、その初期胚を用いてレンチウィルスベクターによりsgRNA発現トランスジェニックマウスを作製し、得られたCas9- sgRNA発現マウスの脳においてCRISPR/Cas9システムが機能し、標的遺伝子が細胞種、時期選択的に欠損していることを確認する予定である。並行して、同様の手法によるトランスジェニックラット作製も試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、計画通りCre活性依存的またはテトラサイクリン誘導系でCas9タンパクを発現するマウスをES細胞から作製することができた。また、既存のCre発現マウスまたはtTA/rtTA発現マウスと交配し、細胞種、時期選択的Cas9タンパク発現マウスの作製も進んでいる。さらに、レンチウィルスベクターによりsgRNA発現トランスジェニックマウスを作製するため、sgRNA発現カセット等を組み込んだプラスミド及びレンチウイルスベクターを数種類作製し、遺伝子変異導入の条件検討をおこなった他、マウス初期胚へのレンチウイルスベクターの感染効率について検討を行った。これらのことから、研究計画は順調に推移していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで順調に研究開発は進展してきているので、作出したマウスにおけるCas9の発現を確認した後、その初期胚を用いてレンチウィルスベクターによりsgRNA発現トランスジェニックマウスを作製し、得られたCas9- sgRNA発現マウスの脳においてCRISPR/Cas9システムが機能し、標的遺伝子が細胞種、時期選択的に欠損していることを確認する予定である。並行して、同様の手法によるトランスジェニックラット作製も試みる。以上のように本研究時期の終了までに、当初計画していた開発ができると考えている。
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Causes of Carryover |
当初計画していた購入消耗品一部の納品が遅れたために支払が年度をまたいでしまったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
軽微な経費の繰越であり、速やかに対処する計画であり、本研究の遂行には影響しない。
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