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2014 Fiscal Year Research-status Report

ランダムスキャン2光子励起顕微鏡による多点膜電位計測

Research Project

Project/Area Number 26640016
Research InstitutionWaseda University

Principal Investigator

井上 貴文  早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10262081)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords電位感受性色素 / 多点膜電位計測 / シナプス結合
Outline of Annual Research Achievements

申請者が開発したランダムスキャン方式2光子励起顕微鏡は高時間分解能により従来の2光子励起顕微鏡の限界を打ち破る。本研究はこの装置の高速性を生かして電位感受性色素により同期して活動電位を発する複数ニューロンの組み合わせを正確に抽出し、局所神経回路の構造を明らかにするとともに、単一神経細胞の多点膜電位記録を行い、神経細胞樹状突起における膜電位の空間・時間変化パターンを解析することを目指している。すでに電位感受性色素を培養神経細胞に導入しての多点活動電位計測に成功していたが、本研究では脳スライスあるいは動物個体の脳に適用して局所神経回路の構造を明らかにすることを目的としている。培養神経細胞での計測にはDiOとDPAの2種類の色素の組み合わせを電位感受性色素として用いたが、DiOは疎水性が高く、通常の培地添加法では全く染色できなかったので、遺伝子銃を用いて培養神経細胞のDiO染色を行った。本年度は対象を脳スライスとした。遺伝子銃による染色法は脳スライスにはダメージが大きく使用できなかったので、溶媒と溶解法を工夫して、脳スライスのDiOによる染色が可能となった。また、DiOよりも親水性の比較的高いNeuro DiOを用い、DiOよりも良好な染色を得られることがわかった。また、本年度は培養神経細胞相互の神経連絡の有無を、それぞれの細胞から同時記録した発火パターンを比較することにより解析する手法を開発した。神経細胞のペアから得られる発火時系列の相互相関から、神経細胞のシナプス結合の有無だけではなく、結合の方向が検出できることがわかった。これは多く用いられているカルシウムイメージングよりも時間解像度の高い膜電位計測法ならではの長所と考えている。来年度以降は脳スライスにおける多点膜電位計測を試みるとともに、情報科学者と共同研究を行いデータ解析法の改良を継続させる予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

計画では細胞外液への膜電位感受性色素添加の方法の検討および膜電位感受性色素の種類の検討を初年度の計画として挙げたが、実績に記載したように脳スライス標本の染色が可能となり、計画を満足していると考える。また、多ニューロンの発火パターンの解析法の確立も課題として挙げたが、ニューロン間の発火パターンの解析法が軌道にのりつつあり、順調に進行しているものと考える。

Strategy for Future Research Activity

2年目以降は、計測法および解析法の両面にわたっての改良と知見の集積に努め、脳スライスでの神経回路の解析を可能とし、更に生きた動物脳での多神経活動解析法へと発展させたい。

Causes of Carryover

初年度は謝金に比較的多くを用いたが、年度末の勤務状況の確定が困難となり、少額の残額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

差額は小さく、2年目の研究活動のための経費として吸収する。

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Published: 2016-05-27  

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