2015 Fiscal Year Research-status Report
αシヌクレインテトラマーの立体構造を特異的に認識する抗体の作製
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26640033
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
高松 芳樹 公益財団法人東京都医学総合研究所, 認知症・高次脳機能研究分野, 主任研究員 (50250204)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シヌクレイン / 四量体 / 立体構造認識抗体 / パーキンソン病 / 重合開始メカニズム / 赤血球 / 架橋剤 / ショウジョウバエ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究計画者は家族性パーキンソン病の原因遺伝子の一つであるαシヌクレイン (Syn)及びその非アミロイドホモログであるβSynについて、従来考えられていた単量体ではなく、通常四量体として存在するとの報告(Bartelsら2011, Dettmerら2013)に注目し、その特異抗体を作製してαSynの重合開始メカニズムの解明に役立てようと考えた。しかしながら分離ゲル上で四量体タンパクを識別することはできても、立体構造を維持しつつ抗原タンパクとして精製するのは困難であり、四量体のSynは精製最終段階で単量体となることもその後報告された(Luthら 2014)。このことから、当初の計画を一部見直して、抗原タンパクをゲルの切り出しにより行うことが有効ではないかと考え、その検出抗体として抗αSyn 15G7抗体を中心に、抗リン酸化αSyn #64抗体及び抗重合αSyn 5G4抗体を使用して検討を進めている。 一方、申請者は血液サンプルの他、野生型及び変異型のヒトα及びβSyn(αSyn wild, αSyn A53T, βSyn wild, βSyn P123H, βSyn V70M)を染色体上の同じ箇所に導入したトランスジェニックフライ(tg fly)を独自に作製し、保有している。このtg flyを用いた遺伝子解析の結果、四量体を形成しにくいことが報告されているαSyn A53T(Dettmerら2015)において顕著に減少する膜結合型タンパク遺伝子を見出した。四量体を形成しないαSyn A53T遺伝子産物が神経変性の開始を誘導するメカニズムに繋がるものと考え、学会報告した(日本分子生物学会2015)。この過程でBrain Behav. Immun.誌に原著論文を共同著者として、npj.Microgravity誌及びJ Alz. Dis.誌にそれぞれ総説論文を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初計画していたゲル濾過によるαSyn四量体抗原タンパクの精製では立体構造を維持しつつ精製することは困難であり、四量体としての存在を提唱するSelkoeらのグループによっても精製開始時には四量体であるものの、精製最終段階で単量体になってしまうことを報告している。分離ゲル上で四量体を示す分子量の位置に抗Syn抗体で検出できるシグナルが存在することは確かであるため、ゲル濾過による手法に固執せずに抗原タンパクを精製する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
初期試料から架橋剤を使用するまでは当初計画通りとし、アクリルアミド分離ゲル上で最端マーカー部分のみ染色してαSyn四量体サイズを検出し、ゲルを切り出してこれを抗原とした免疫を行い、目的の抗体を作製する。目的バンド検出抗体としては単量体、四量体の双方を検出する抗αSyn 15G7抗体を使用する。
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Causes of Carryover |
当初計画によるゲル濾過法による抗原タンパクの精製からアクリルアミドゲルの切り出しによる抗原タンパクの取得に切り替えて行うため、抗体作製段階で必要となる資金を次年度に繰り越した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
計画の見直しにより行う抗体作製ステップで使用する。
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[Presentation] P3-325 Disease Modifying Effect of Adiponectin in a Model of α-Synucleinopathies in Vitro and in Vivo.2015
Author(s)
Masaaki Waragai, Kazunari Sekiyama, Yoshiki Takamatsu, Masayo Fujita, Akio Sekigawa, Naomichi Iwai, Edward Rockenstein, Satoshi Inoue, Albert R. La Spada, Elizer Masliah, Makoto Hashimoto
Organizer
Alzheimer's Association International Conference (AAIC2015)
Place of Presentation
Washington, DC, USA
Year and Date
2015-07-18 – 2015-07-23
Int'l Joint Research
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