2015 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス形成・成熟過程における分子動態・微細構造の解析技術の開発
Project/Area Number |
26640039
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
植村 健 信州大学, 学術研究院医学系, 准教授 (00372368)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 脳・神経 / 神経科学 / シナプス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、神経発達障害の原因あるいは危険因子と考えられる遺伝子が次々と同定され、その一因としてシナプス形成、シナプスの成熟異常が強く示唆されるようになった。本研究はシナプス形成過程および成熟過程におけるシナプスの微細構造と疾患関連遺伝子の挙動を溶液中において大気圧走査型電子顕微鏡 (ASEM)と光学顕微鏡で同時に解析する系を樹立し、神経発達障害の原因遺伝子欠損時におけるシナプス形成・成熟過程を詳細に解析することでシナプスレベルでの神経精神疾患の病態・病因を理解することを目的とした。研究期間全体を通じて、SiN薄膜窓を備えた特殊培養ディッシュ (ASEM dish)上で神経細胞の初代培養を行なう実験系を確立させた。さらに、シナプス前終末の分化誘導を引き起こす細胞接着分子(シナプスオーガナイザー)の細胞外領域を磁気ビースにコートし、それらをASEM dish上の培養神経細胞に添加し、ASEMで観察することに成功した。また、シナプス前終末アクティブソーンタンパク質Bassoonに対する抗体を用いて免疫染色を行い、同一視野を光学顕微鏡とASEMで観察した。光学顕微鏡による観察では、Bassoonが磁気ビーズ周辺に集積しているのが観察され、ASEMにより同一視野を観察すると、Bassoonを抗体標識した金粒子と軸索が磁気ビーズの周囲を取り巻くように存在していることが明らかとなった。最終年度には、特に染色法のさらなる改善を目指し、種々の抗体を用いて染色を試みた。また、幾つかのシナプスオーガナイザーを欠損またはノックダウンさせた培養神経細胞を作製し、シナプスマーカー分子に対する抗体を用いた免疫染色の条件検討および観察を通常のディッシュで行なった。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Mechanisms of splicing-dependent trans-synaptic adhesion by PTPδ-IL1RAPL1/IL-1RAcP for synaptic differentiation.2015
Author(s)
Yamagata A, Yoshida T, Sato Y, Goto-Ito S, Uemura T, Maeda A, Shiroshima T, Iwasawa-Okamoto S, Mori H, Mishina M, Fukai S.
-
Journal Title
Nature Communications
Volume: 6
Pages: 6926
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
-
-