2016 Fiscal Year Annual Research Report
Axon regeneration in the central nervous system with a novel blocker for semaphorin
Project/Area Number |
26640043
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
生沼 泉 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 教授 (40452297)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 神経再生 / 低分子量Gタンパク質 / アクチン細胞骨格 / 選択的スプライシング / ガイダンス因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
高次脳機能の発現には、神経細胞が生まれた後、標的細胞を認識して周辺の場の様々な誘導(ガイダンス)因子に応答し、ダイナミックに突起の伸長・退縮を繰り返しつつ的確な標的細胞とシナプス形成する必要がある。われわれのこれまでの成果で、軸索ガイダンス因子の細胞内情報伝達機構を解明し、低分子量G蛋白質の1つR-Rasの活性が様々な因子の作動で共通に制御され、軸索の動的形態制御において普遍的役割を果たしていることを明らかにしてきた。さらに、本研究期間中の誌上成果で、R-Rasのエフェクター分子として突起伸展を担うアクチン重合足場タンパク質afadinの選択的スプライシングが、神経細胞発達過程で変化しており、さらに、短いバリアント(S体)が長いバリアント(L体)に対してドミナントネガティブ体として働くことで、L体の細胞膜での集積によるアクチン重合足場形成を阻害するという報告をした。これらの成果は、内在性に神経再生を抑制している分子が選択的スプライシングによって産生される機構の存在を明らかにしたものである。さらに、最終年度には損傷神経組織内でのS体およびL体の発現量や局在の差違を調べるために必要となる、S体特異的抗体の作出を行った。さらに、s-afadinの発現抑制による神経繊維再生応用を目指し、神経細胞内在性のafadinを遺伝子置換するのに必要なゲノム編集の技法を構築し、この技法による内在性の各afadinアイソフォームタンパク質の蛍光標識に成功した。今後、本研究期間中に得られた成果を、神経再生阻害因子等、外的環境に応じたスプライシングの運命決定メカニズムの解明のため、細胞内でafadinのスプライシング制御に必要なシスエレメントやその結合タンパク質を同定し、それらの活性や局在の動的変化の制御機構を明らかにする研究に発展させる。
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Research Products
(3 results)