2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the reactivation of regenerative ability by masking 'autoantigens' expressed in organ blastema.
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26640051
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久保 健雄 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10201469)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アフリカツメガエル / 器官再生 / 再生芽 / 増殖細胞 / Interleukin 11 / ゲノム編集 / 脊索 / pentraxin |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度、代表者らはツメガエルのXPhyH-likeのマウスホモログが、白血球活性化に伴って発現上昇することを見出し、白血球活性化に働く可能性を示唆した。カエルでもXPhyH-likeが自己反応性白血球を活性化することで尾再生を阻害する可能性がある。この成果は平成27年4月に論文発表したので [Furusawa et al. BBRC (2016)]、平成28年度に掲載料を繰越した研究費で支払うことを計画した。しかし掲載料は無料であったため、本研究では関連する以下の課題を遂行し、1件の論文発表と2件の学会発表を行なった。 代表者らは昨年度、il-11がツメガエル幼生尾の再生芽増殖細胞に一過的かつ選択的に発現することを報告した。今年度、ゲノム編集法により、il-11をモザイク状にノックダウンしたF0個体を作出したところ、il-11が尾再生に必要であることが判明した。さらに、il-11ノックダウン個体の切断尾では、複数組織の未分化細胞のマーカー遺伝子の発現が抑制されil-11を強制発現した正常尾では、それらのマーカー遺伝子を発現する細胞が出現した。このことは、il-11が単独で複数の組織の未分化細胞の誘導・維持に関わることを示唆している [Tsujioka et al. 投稿中]。 また、代表者らは同様に、尾再生芽に選択的かつ一過的に発現する遺伝子としてXNP-1 を同定している。今回、whole mount in situハイブリダイゼーション法による解析により、XNP1は再生可能期では尾切断端の脊索で発現維持されるが、不応期では発現が止むことから、脊索におけるXNP1発現と再生能が相関することが分かった。本研究成果は、ツメガエル幼生の尾再生に働く新規な分子機構の一端を解明した点で意義がある [Hatta-Furusawa et al. DGD (2016)]。
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