2015 Fiscal Year Annual Research Report
核膜孔複合体蛋白の細胞分裂時中心体間の相互作用解析に関する探索
Project/Area Number |
26640071
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
WONG W・R 金沢大学, 新学術創成研究機構, 教授 (30464035)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 核膜孔複合体 / 細胞周期 / Tpr / Nup62 / Nup358 / 中心体 |
Outline of Annual Research Achievements |
一つの細胞を国家とすると核は政府と言える。政府の行政命令で社会活動が行われるが細胞内でも同じように、核の命令の伝達で細胞が活動する。核膜孔複合体は核の門番と言われ、東京の霞ヶ関駅と中央省庁の出入り口(核膜孔)でICカード(核内外搬出シグナル)を持つ官僚職員(転写因子)をチェックする役割を担う。 核膜孔複合体はヌクレオポリンと呼ばれる30種類以上のタンパク質から構成される。本研究課題では核膜孔タンパク質の細胞分裂時における相互作用に関する探索を行った。実施期間に、NPCタンパク質の一つであるTprが、中心体の分離・複製・成熟に重要な役割を持ち、がん細胞において過剰発現が見られるAurora A kinaseと有糸分裂期に相互作用していることを見出した。また、Aurora A kinaseの阻害は細胞に染色体の異数化を引き起こすが、Tprの発現抑制も同じく染色体の異数化を引き起こした。Aurora A kinaseと直接結合するTprのMドメインに、Aurora A kinaseが過剰発現している癌において治療効果が期待できることを示唆し、論文発表した(Kobayashi et.al., Cell Cycle, 2015)。 また、このTprと染色体の論文も発表した(Wong et.al., JV, 2015)。さらに、ヌクレオポリンNup358中心体で発現し、我々はNup358/RanBP2抑制によって誘導される分裂死メカニズムを明らかにしました(Wong & D'Angelo, Cell Chem Biol, 2016)。
|