2014 Fiscal Year Annual Research Report
次世代プロテオミクスを用いたがんにおけるワールブルグ効果の根本的な解明
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26640080
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中山 敬一 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80291508)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | プロテオミクス / がん |
Outline of Annual Research Achievements |
われわれは従来バリデーションベースに使用されているターゲットプロテオミクスの代表的な方法であるMultiple Reaction Monitoring(MRM)法を発展させることで網羅的かつ高精度でタンパク質絶対定量を行うための基盤技術の開発を行ってきた。本研究では、これまで構築してきたプロテオームワイドなMRM解析プラットフォームを利用して多検体の精密な絶対量計測が可能であることを実証することを目的とした。われわれはヒトの全リコンビナントタンパク質25,000種を試験管内で合成し、この情報を基に高速MRMで短時間に多数のタンパク質の絶対定量を可能にする技術(information-based MRM: iMRM)という方法を発明した(特許第5468073号)。このiMRM法を用いて多くのタンパク質の絶対定量を行った。特に正常細胞とがん細胞について、その代謝状態の変化をもたらすキー酵素を探索した。 われわれはワールブルグ効果の本質を解明するため、iMRM法によって正常細胞とがん細胞において、全ての代謝酵素(約1000種類)および代謝産物を絶対定量し、システム生物学的手法を取り入れながら、ワールブルグ効果のキー酵素を同定した。この結果、がんにおける代謝シフトは、カーボンソース利用をエネルギー産生から高分子化合物合成へリモデリングする適応戦略であることが明らかとなった。今後はiMRM法によって多くの分野の研究を革新的に進歩させると同時に、臨床検査への応用やバイオマーカー探索など、医学生物学に長足の進歩をもたらすことが期待される。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Reconstruction of insulin signal flow from phosphoproteome and metabolome data2014
Author(s)
Yugi, K., Kubota, H., Toyoshima, Y., Noguchi, R., Kawata, K., Komori, Y., Uda, S., Kunida, K., Tomizawa, Y., Funato, Y., Miki, H., Matsumoto, M., Nakayama, K. I., Kashikura, K., Endo, K., Ikeda, K., Soga, T., Kuroda, S.
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Journal Title
Cell Rep.
Volume: 8
Pages: 1171-1183
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] ZFP36L1 and ZFP36L2 control LDLR mRNA stability via the ERK-RSK pathway2014
Author(s)
Adachi, S., Homoto, M., Tanaka, R., Hioki, Y., Murakami, H., Suga, H., Matsumoto, M., Nakayama, K. I., Hatta, T., Iemura, S., Natsume, T.
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Journal Title
Nucleic Acids Res.
Volume: 42
Pages: 10037-10049
DOI
Peer Reviewed
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