2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規融合グライコプロテオミクスによるグリオーマ幹細胞の分化ニッチ制御機構の解明
Project/Area Number |
26640083
|
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
南部 晶子 熊本大学, その他の研究科, その他 (40572087)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | がん幹細胞 / グライコプロテオミクス / 糖鎖 / 脳腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, これまでに融合プロテオミクス法を用いてGICの分化制御に関わる細胞外マトリックスとそのレセプター群からなる分化ニッチの存在を証明し, それらが悪性gliomaの治療ターッゲトとなる可能性を提唱した. 融合プロテオミクスの結果から, 分化ニッチを構成する因子のプロファイリングを行った結果, 糖鎖修飾関連分子が関与している可能性が示唆された. そこで, 本研究では, GICの分化を誘導する分化ニッチを構成する分子群の探索を行うことを目的とし, 新規融合グライコプロテオミクス法を用いて機能ターゲットおよびGICマーカーとして有用な糖タンパク質, その糖鎖修飾構造およびその責任遺伝子群の解析を行った. その結果, 分化誘導により O-結合型糖鎖に関わるレクチン: Jacalin, ACA, ABA陽性が減少すること, また, O-結合型糖鎖合成/転移酵素群, 特にコンドロイチン硫酸プロテオグリカンを含むグライコサミノグリカン: GAG合成酵素遺伝子群が顕著に発現減少することが判明している. さらに, GAG分解酵素処理により, GICの細胞接着は亢進し, GFAP (分化マーカー) の発現が有意に増加することから, GAG糖鎖分解がGICの分化を誘導すること, すなわちGAG糖鎖がGICの維持に関わる可能性を見出した (投稿準備中). これらの結果から, 一連のGAGを含む糖鎖修飾タンパク質の構造変化がGICの微小環境を変化させ, GICの維持・分化を制御することが示唆された.
|
Research Products
(2 results)