2015 Fiscal Year Annual Research Report
姉妹染色分体間コヒージョン制御の顕微鏡的解析手法の開発
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26640086
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
広田 亨 公益財団法人がん研究会, がん研究所・実験病理部, 部長 (50421368)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 染色体構築 / 細胞分裂 / 姉妹染色分体 / コヒージョン / コンデンシン / トポイソメラーゼ2 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞が安定してゲノムを維持するためには、M期後期の開始までに、姉妹染色分体間の結合(コヒージョン)を完全に解消することが必要であり、それを実現している細胞機能を解明することは必須課題である。本研究では姉妹染色分体の結合を検出・測定可能な実験系を構築することを目的とする。昨年度までに進めた蛍光顕微鏡によって得られた画像をもとに解析したデータでは誤差が大きく出てしまうことが判明したので、今年度は共焦点レーザー顕微鏡によってデータの取り直しから開始した。その上で、主として以下の2つを実施し、その成果を論文にまとめた。 1)分裂期進行に伴うコヒージョンの解除過程について定量的な解析を行った。姉妹染色分体を分染後、M期の前期、前中期、中期、後期の細胞について、染色体の総容積及び、そのうち姉妹染色分体の重なりの割合を求め、コヒージョンの解離程度の変化を観察した。 2)M期のクロマチン構造変換に中心的な役割をもつと考えられるSMC複合体及びトポイソメラーゼII-alphaの機能阻害を行い、コヒージョン解消の分子機構を検討した。その結果、トポイソメラーゼII-alpha の不活性化によって姉妹染色分体の解離が著しく阻害され、DNAカテネーション解除の重要性が明らかとなった。また意外なことに、染色体凝縮を促進するコンデンシン複合体の不活性化によっても姉妹染色分体の解離が阻害されたことより“分けながら凝縮していく”という染色体構築原理が示唆された。
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[Journal Article] HP1-assisted Aurora B kinase activity prevents chromosome segregation errors.2016
Author(s)
Abe, Y., Sako, K., Takagaki, K., Hirayama, Y., Uchida, KSK., Herman, J., DeLuca, JG., Hirota, T.
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Journal Title
Developmental Cell
Volume: 36
Pages: 487-497
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Esco1 acetylates cohesin via a mechanism different from that of Esco22015
Author(s)
Minamino, M., Ishibashi, M., Nakato, R., Akiyama, K., Tanaka, H., Kato, Y., Negishi, L., Hirota, T., Sutani, T., Bando, M., Shirahige, K.
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Journal Title
Current Biology
Volume: 25
Pages: 1694-1706
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] がんと染色体2015
Author(s)
広田 亨
Organizer
第69回日本臨床細胞学会細胞検査士教育セミナー
Place of Presentation
東京
Year and Date
2015-08-30
Invited
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