2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of protein factors regulating secretion of specific miRNAs
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26640095
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
土屋 直人 国立研究開発法人国立がん研究センター, 研究所, ユニット長 (30322712)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 分泌マイクロRNA / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、細胞の分泌小胞であるエクソソームが、様々な生体の応答反応に重要な役割を有することが明らかとなってきた。がん細胞は積極的にエクソソームを分泌し、自身の微小環境への適応や転移の成立に寄与すること、特定miRNAを含有し、細胞間の遺伝情報の伝達に利用していると考えられている。一方で、がん細胞が如何にして特定miRNAを細胞内でエクソソームへと輸送するか、その分子機構は明らかになっていない。当研究グループでは、様々ながん細胞株及び不死化細胞、さらには臨床検体を用いてエクソソームmiRNAのプロファイリングを行い、miRNAの細胞外分泌には複数の経路が存在する可能性を見出した。本研究では、がん細胞が特定miRNAをエクソソームへと輸送するメカニズムを明らかにすることを目的とした。これまでの結果は、非常に興味深く、エクソソーム画分に含まれるmiRNAはエクソソーム内包型とタンパク質複合体を介して分泌されるものが混在していることを見出した。タンパク質複合体の構成因子の同定を行い、少なくとも14種類の候補分子を同定した。これら候補分子に対するsiRNAを合成し、細胞外へ分泌が減少する因子の絞り込みを行った。さらに興味深いことに、候補分子のノックダウンにより細胞外へのエクソソーム分泌量が増加することがわかった。これらの結果より、miRNA分泌を実行するタンパク質複合体が存在することを見出し、エクソソーム分泌と密に連携していることがわかった。この知見は、新規の分泌複合体による新たなmiRNA分泌機構が、細胞外小胞の分泌システムにも影響を与えていることを強く示唆しており、今後の研究により、がん細胞の新規、かつ重要な特性を明らかにできる可能性を示している。
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Research Products
(4 results)