2014 Fiscal Year Research-status Report
薬効・副作用予測のためのin situファーマコプロテオミクス解析
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26640098
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Research Institution | 独立行政法人医薬基盤研究所 |
Principal Investigator |
足立 淳 独立行政法人医薬基盤研究所, 創薬基盤研究部, プロジェクト研究員 (20437255)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プロテオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
ATP拮抗型キナーゼ阻害剤を対象に、細胞内での標的・阻害濃度・阻害持続性を軸とした、3次元ファーマコプロテオミクス解析手法(3D-Pharmacoproteomics; 3D-PPx)を開発することを目的に研究を行った。 平成26年度は、3D-PPx法のための情報基盤及び解析基盤の構築を行った。 情報基盤の構築については、次年度解析予定の6種類の非小細胞肺癌細胞株を解析し、ATPプローブで標識されたキナーゼ由来ペプチドのナノ液体クロマトグラフィーの溶出時間、質量分析計で取得される質量電荷比についての情報基盤を取得した。 解析基盤については四重極orbitrap型質量分析計、Q Exactiveを用いて、parallel reaction monitoring法を試行したが、シグナル強度の弱い解析対象は、1回の測定に200ミリ秒から2秒程度時間をかける必要があることがわかった。この条件では解析のスループット性が失われるので、代替法としてMS解析にデータ依存型分析法(DDA)法を採用することにした。DDA法で取得したデータ解析についてMaxquantサーバーのペプチドピークマッチング機能を使用することで、定量対象ペプチドが約30%増加し、定量データの網羅性が向上した。情報基盤、解析基盤の整備を行うことができたので、次年度解析予定であった、ATP拮抗型EGFR阻害剤エルロチニブの非小細胞肺癌細胞株に対する3D-PPx解析を、曝露条件の検討、前処理、MS解析の段階まで前倒しで実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は解析基盤の手法を一部変更したが、予定通り情報基盤、解析基盤の構築を終え、次年度計画予定の実験も一部実施できたため、おおむね計画は順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は非小細胞肺癌細胞株に対する3次元ファーマコプロテオミクス解析を、本年度構築した解析基盤・情報基盤を使用して実施する予定である。得られたデータを用いて、ェルロチニブ耐性株と感受性株間での比較解析を行うことで、耐性にかかわる因子の探索ならびに耐性克服標的の探索を行う予定である。
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