2014 Fiscal Year Research-status Report
リボソームプロファイリングを用いた無細胞タンパク質合成システムの解析
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26640134
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
清水 義宏 独立行政法人理化学研究所, 生命システム研究センター, ユニットリーダー (90401231)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 無細胞タンパク質合成 / リボソーム / mRNA / 次世代シーケンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
生命システムの内部構造を、理解可能な形で定量的に評価するためのアプローチの確立は、複雑な生命システムの理解にとって必須の課題である。本研究では、生命システムを個々のサブシステムが統合されたものととして捉え、再構成されたサブシステムの内部構造の理解を通じた生命システムの理解へのアプローチの提示を目指している。モジュール化されたサブシステムとして、再構成型無細胞タンパク質合成システム、PURE systemに焦点を当て、反応系におけるmRNAの配列を次世代シーケンサーによって網羅的に解析を行うことにより、上記の目的の達成を目指している。本年度は、タンパク質合成反応における開始複合体の形成過程に着目した解析を行った。開始コドン下流をランダム化した合成mRNAライブラリーを構築し、これを3種類の開始因子およびフォルミルメチオニル化した開始tRNAの存在下においてリボソームと結合させ、リボソームに結合したmRNAのみを逆転写PCRによってDNAに変換し、これを次世代シーケンサーによって解析した。mRNAの二次構造の安定性の相違や、ランダム化させたコドンの相違など、複数の成分から分析を行い、翻訳開始反応において、リボソームに結合しやすいmRNAについて共通項を見出すためのデータを得ることに成功した。得られたデータの解析を通じて、タンパク質合成反応においてもっとも重要なステップの一つである開始反応の動作原理を、mRNA配列に着目した形で定量的に評価する道筋が定まったと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初研究計画に記載したように、タンパク質合成反応における開始複合体の形成過程に着目した解析を順調に行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳開始反応のみならず、伸長過程にも着目した解析を今後も効率よく進めていきたい。
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Causes of Carryover |
計画は順調に進んでいるが、購入予定であったシーケンス試薬をキャンペーン価格により比較的安価に購入できたため、当初計画と若干ズレが発生したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度でシーケンス試薬を安価に購入できたため、次年度において、当初計画以上の配列解析を行う計画を立てている。
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[Journal Article] Whole-brain imaging with single-cell resolution using chemical cocktails and computational analysis.2014
Author(s)
Susaki, E. A., Tainaka, K., Perrin, D., Kishino, F., Tawara, T., Watanabe, T. M., Yokoyama, C., Onoe, H., Eguchi, M., Yamaguchi, S., Abe, T., Kiyonari, H., Shimizu, Y., Miyawaki, A., Yokota, H., and Ueda, H. R.
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Journal Title
Cell
Volume: 157
Pages: 726-739
DOI
Peer Reviewed
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