2015 Fiscal Year Annual Research Report
大腸菌リボソーム駆動部構成蛋白質のカセット交換による真核型合成速度の実現
Project/Area Number |
26650013
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
姚 閔 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (40311518)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 発現系 / X線結晶解析 / タンパク質工学 / リボソーム / ストーク複合体 / 翻訳速度 |
Outline of Annual Research Achievements |
リボソームの原子レベル分解能での構造解析が完成しつつある現在,その詳細な分子構造情報をもとに,次世代型タンパク質生産系の開発に向けた展開が期待される.研究代表者らはリボソーム駆動部となる機能部位(GTPaseセンター)の主要成分であるストーク複合体の構造解析に成功し,それを構成するタンパク質が,バクテリア型と真核型の間で,カセットのように交換できることを示した.本研究では,大腸菌のストークタンパク質の一部を真核型に変換したキメラストーク複合体を用いて,真核型伸長因子EF2を運搬・利用するタンパク質合成システムの作製を試みる.これにより,大腸菌の安定したリボソームを使いながらも,真核型タンパク質のフォールド速度に対応した減速型(真核型)発現系を実現し,ヒトなどの真核生物タンパク質の可溶化発現に供する. 本研究の目的を達成するために,まず,大腸菌由来のストーク複合体の背骨タンパク質L10のキメラ体をin vitro作製する必要がある.平成27年度までに,L10の3種類の変異体L10ΔCH,L10ΔCH-P0CTD,L10ΔCH-P0H3CTDについて,様々なコンストラクトを作製し,そのうち,L10ΔCHと2種類のL10ΔCH-P0CTDの可溶化発現に成功した.また,クロマトグラフィーシステムを用いて2種類のL10ΔCH-P0CTDを精製し,Native-pageを用いたL12,P1との結合実験を行った結果,大腸菌のキメラリボソームストーク複合体を創製する可能性が示唆された.
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Research Products
(3 results)