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2014 Fiscal Year Research-status Report

ALS治療薬の開発に向けた変異型SOD1とDerlin-1の結合阻害化合物の探索

Research Project

Project/Area Number 26650028
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

本間 謙吾  東京大学, 薬学研究科(研究院), 研究員 (60708171)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2016-03-31
KeywordsALS / SOD1 / PPI阻害剤 / Derlin-1
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ALSの原因となる変異型SOD1と小胞体膜タンパク質Derlin-1の結合を介した小胞体ストレス誘導メカニズムの新知見に基づき、SOD1-Derlin-1結合を阻害するタンパク質間相互作用 (protein-protein interaction, PPI) 阻害低分子化合物の創出によって、ALSの病態発症機構の解明と治療薬の開発に繋げることを目的としている。
今年度は、それ以前におよそ16万化合物の中からスクリーニングにより選出していた19のSOD1-Derlin-1結合阻害剤の候補化合物のさらなる絞り込みを行った。それぞれin vitroと細胞内で顕著な阻害活性を示す1つずつの化合物に着目し、構造類似化合物を共同研究により創出したところ、より阻害活性の強い化合物を得ることに成功した。これらの化合物は複数の変異型SOD1とDerlin-1の結合を阻害することが確認できている。つまり、本研究の目的を達成するための第一段階であるSOD1-Derlin-1結合阻害剤の創出は概ね達成されたと言える。これは、一般的に困難であるとされている低分子化合物によるPPI阻害を達成した点において非常に意義深く、阻害剤探索の分野にインパクトを与えることができると考えている。
一方で活性構造相関の情報が集まりつつあり、今後の化合物合成デザインをより効率的にできることが予想される。
また、膜透過性を有し細胞内で結合阻害活性を示す化合物については、ALSモデルマウスである変異型SOD1トランスジェニックマウスに浸透圧ポンプを利用した脳室内持続投与を行うことで、その病態改善効果を検証している。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画の通り、複数の変異型SOD1とDerlin-1の結合を共通して阻害できることを示すことができた。
一方で今年度中の達成を予定していた、得られた結合阻害剤のターゲット分子の同定や、in vitroの初代脊髄培養系での変異型SOD1による運動神経細胞死誘導の抑制の検討は行えていないが、来年度に予定していた化合物の最適化や、モデルマウスへの投与によるin vivoでの病態改善効果の検証は本年度中に予想以上に進めることが出来た。
また、結合阻害剤のターゲット分子の同定については、これまでは表面プラズモン共鳴法により試みてきたが、構造活性相関の情報が蓄積して来ており、化合物に修飾を入れることで、ケミカルプルダウンなどの方法によってもアプローチしていくことが可能となってきている。
以上のことから、計画通りではないが、プロジェクト全体としては概ね順調に進展していると考えられる。

Strategy for Future Research Activity

本研究の最大の目的であるSOD1-Derlin-1結合阻害剤によるALSモデルマウスの病態改善については現在進行中である。引き続きアッセイする個体数を増やし、ロータロッドテストによる運動機能測定と、体重変化、生存を評価することで、SOD1-Derlin-1結合阻害剤のALS治療効果を検討する。
一方で、結合阻害剤のターゲット分子の同定については、これまでと同様に表面プラズモン共鳴法による検討とともに、結合阻害化合物にビオチンや光反応基を付加してケミカルプルダウンを行うなどの方法によってもアプローチしていく。
ターゲットが同定された場合には、阻害化合物とターゲット分子の共結晶をとることによって、結合阻害のメカニズムを明らかにする。この共結晶により、未だ明らかとなっていない変異型SOD1の構造変化の実態や、Derlin-1の機能の解明も同時に目指す。
また、これまでに得られた構造活性相関や共結晶の情報を利用して、より特異性が高く、細胞内での結合阻害活性が高い化合物の作出を目指す。

Causes of Carryover

本年度はSOD1-Derlin-1結合阻害化合物として優良なものが予想よりも早くとれたため、本研究の目的であるALSモデルマウスに対する病態改善効果の検討を前倒しして行った。本実験については、当研究室での脳室持続投与技術の確立から行い、非常に手間と時間を必要としたため、全体の実験量が予想を下回り、結果として本年度の支出が予想を下回ることとなった。

Expenditure Plan for Carryover Budget

本年度も主に物品費、マウスの維持費としての使用を予定している。
特にin vivoでの治療評価では浸透圧ポンプによる持続的な投与を行っており、浸透圧ポンプやALSモデルマウスの維持に多くの費用が必要になる。

  • Research Products

    (2 results)

All 2014

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] SOD1 as a molecular switch for initiating the homeostatic ER stress response under conditions of zinc deficiency2014

    • Author(s)
      Kengo Homma and Hidenori Ichijo
    • Organizer
      日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      日本、京都
    • Year and Date
      2014-10-14 – 2014-10-18
  • [Presentation] SOD1 AS A MOLECULAR SWITCH FOR INITIATING THE HOMEOSTATIC ER STRESS RESPONSE UNDER ZINC DEFICIENCY2014

    • Author(s)
      Kengo Homma and Hidenori Ichijo
    • Organizer
      The 4th International Society for Zinc Biology Meeting
    • Place of Presentation
      Asiloma, Pacific Grove, CA, USA
    • Year and Date
      2014-09-14 – 2014-09-19

URL: 

Published: 2016-05-27  

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