2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞内圧力センサーの創成を目指した、蛍光蛋白質の圧力応答機構の解明
Project/Area Number |
26650036
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今田 勝巳 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (40346143)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生体エネルギー変換 / 蛍光タンパク質 / X線結晶構造解析 / 圧力 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題では、蛍光圧力応答を示すYFP挿入変異体の結晶構造を様々な圧力下で解析するとともに、各圧力下で結晶の蛍光スペクトルを測定し、構造変化とスペクトル変化の関係を明らかにし、蛍光の圧力依存性を生み出す構造基盤を解明することを目指している。以下に今年度の成果を記す。 ・結晶状態であることによるスペクトル変化と圧力によるスペクトル変化を区別するため、結晶状態と溶液状態での蛍光スペクトルを、圧力を変えて測定した。また、結晶化条件と同様の溶液条件における蛍光スペクトルも測定し、それぞれの影響を評価した。 ・圧力変化に対して最も大きく蛍光特性が変化するYFPグリシン3残基挿入変異体(YFP3G)結晶を作成し、ダイヤモンドアンビルセルを用いて高圧下でのX線回折測定を行った。まず、結晶の耐圧性を調べたところ、結晶母液の沈殿剤であるPEGの濃度を少し上げれば、400MPaかけても回折能を保つことを確認した。次に、180MPaおよび330MPaにおけるX線回折強度データーを収集した。以前に構造解析を行った常圧低温下でのYFP3Gの結晶構造を探索モデルとした分子置換法により、それぞれ1.9 A、2.0 A分解能で構造を解析した。その結果、常圧下では残基挿入を行ったベーター鎖がdisorderして発色団近傍の分子内部に水分子が侵入していたが、高圧下ではつながった電子密度が現れ、この領域の水を含めた構造が変化していることがわかった。
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[Journal Article] Dependence of fluorescent protein brightness on protein concentration in solution and enhancement of it.2016
Author(s)
Morikawa TJ, Fujita H, Kitamura A, Horio T, Yamamoto J, Kinjo M, Sasaki A, Machiyama H, Yoshizawa K, Ichimura T, Imada K, Nagai T, Watanabe TM.
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Journal Title
Sci Rep.
Volume: 6
Pages: 22342
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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