2015 Fiscal Year Annual Research Report
がん悪性度マーカーとしてのExosome膜脂質の分析技術の確立
Project/Area Number |
26650038
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
深見 希代子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40181242)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | エクソソーム / 薬剤耐性 / BRAF 変異メラノーマ細胞株 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞が放出するexosome中のタンパク質やmRNA, miRNAが免疫抑制等がん細胞の生存や転移に有利になるしくみを作り出している。またエクソソームを介した細胞間相互作用が癌細胞の薬剤耐性などに寄与するが、抗癌剤処理が癌細胞の放出するエクソソームに与える影響についてはほとんど明らかになっていない。今年度はまず、BRAF 変異メラノーマ細胞株に対するBRAF 阻害剤 Vemurafenib処理が、癌細胞の産生するエクソソームへのマーカータンパク質のソーティングに与える影響を検討した。ヒトメラノーマ細胞株 A375 および HT-144株において、薬剤処理によりエクソソームマーカーの1つであるテトラスパニン CD63 のエクソソームタンパク質画分における存在量が顕著に増加することを見出した。また薬剤処理により、CD63 の高分子量側へのシフトと細胞膜への移行の促進が細胞免疫染色により観察された。CD63 は 3 箇所の N- 型糖鎖修飾部位を持つ糖タンパク質で、その細胞膜への移行には糖鎖修飾が重要であることが報告されている。そこで、高分子量側のメカニズム解明のために、糖鎖付加阻害剤 Tunicamycin の処理等で検討した結果、Vemurafenib は CD63 の糖鎖修飾、あるいは糖鎖修飾によって調節される結合分子に影響を与えることで細胞膜への移行を促進し、エクソソーム中の CD63存在量を増加させている可能性が示唆された。薬剤耐性との関連性について重要な知見と考えられる。 Exosome膜の脂質組成の網羅的解析についても条件検討等が終了し実際の測定が始まっており、当初目的である測定技術の開発は概ね達成したと考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Phospholipase C δ1 in macrophages negatively regulates TLR4-induced proinflammatory cytokine production and Fcγ receptor-mediated phagocytosis.2015
Author(s)
Kudo, K., Uchida, T., Sawada, M., Nakamura, Y., Yoneda, A., and Fukami K.
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Journal Title
Adv Biol Regul.
Volume: 5
Pages: S2212-4926
Peer Reviewed
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