2014 Fiscal Year Research-status Report
二重特異性を有する分子認識機能性分子を利用した新規結晶化法の開発
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26650051
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
柴田 直樹 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 准教授 (30295753)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 人工タンパク質 / 結晶化 / リボソームディスプレイ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラン藻Nostoc punctiforme由来のNp275-Np276タンパク質は、ペンタペプチドリピート(PRP)モチーフを有し、PRP領域は四角柱状の構造を持つ。このタンパク質をベースにしたPRPの1つの面上に、24箇所(コドン)のランダム配列を導入した人工PRPのDNAライブラリ作成した。ライブラリ作成は、Np275-Np276遺伝子配列を大腸菌発現系に最適化したものを基に設計したプライマーを用いて行ったAssembly PCRと、PCR産物を制限酵素処理したものをDNAリガーゼによって連結することによって行った。従来よりもDNAリガーゼによる連結箇所を少なくし、PCRによる連結箇所を多くすることで、DNAの収率を高めることに成功した。作成したDNAライブラリから、T7 RNAポリメラーゼによるin vitro転写によってmRNAを合成した。得られたmRNAの中から、リボソームディスプレイ法によって、標的足場タンパク質であるホルミルグリシンアミド合成酵素に特定的に結合する産物を生成するものを選択した。ビオチン化したホルミルグリシンアミド合成酵素を結合させたストレプトアビジン固定化磁気ビーズを用いて目的mRNAを回収し、RT-PCRによってcDNAを合成した。次のサイクルにおいて、より特異性の高い産物を生成するmRNAを得るため、cDNAをDNase I 処理によって50-100bpにまで断片化したフラグメントから、Assembly PCRによるDNA shufflingによってcDNAの多様性を高めた。産物が実際に標的足場タンパク質に特異的に結合するかどうか調べるため、得られたcDNAをPCRによって増幅し、大腸菌の発現ベクターに挿入し、大腸菌発現系を構築した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度中に予定していた、リボソームディスプレイ法による、標的足場タンパク質に結合する人工PRPの遺伝子の調製に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
人工PRPが特異的に標的足場タンパク質に結合するかどうか、大腸菌発現系によって人工PRPを調製し、ホルミルグリシンアミド合成酵素との相互作用をプルダウン法によって調べる。また、人工PRPの裏面にもランダム配列を導入することで、PRPの両面を利用した多重特異性分子を創成する。裏面と相互作用させるタンパク質として、GST, MBPなどの構造既知のタンパク質を利用する。
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Causes of Carryover |
従来よりも効率的なDNAライブラリの作成法の構築に成功し、使用する酵素の種類や量、スピンカラムやその他の樹脂消耗品の使用量を少なくすることができたため、当初の計画よりも少ない予算で実験を進めることができた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
PCR酵素や逆転写酵素をこれまで用いて来たものよりも高価ではあるが、より高性能のものに置き換えることで、より効率的に実験を進める予定である。
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