2014 Fiscal Year Annual Research Report
ペルオキシソーム-小胞体間の膜接触部位の構成蛋白質の同定
Project/Area Number |
26650060
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
前田 裕輔 大阪大学, 微生物病研究所, 准教授 (00294124)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 膜接触場 / ペルオキシソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
ペルオキシソームの主な機能の一つはアルキル(アシル)リン脂質の初期段階の生合成であり、その異常により疾患が引き起される。この中間体が完成型になるためには小胞体に輸送される必要があり、当研究課題申請者はその輸送はペルオキシソーム-小胞体間の膜接触部位を介して行なわれていると推測した。オルガネラ間膜接触部位は脂質やイオンの小胞非依存的・ATP非依存的輸送を担う特殊な膜ドメインであると提唱されているが、哺乳類細胞においてはその構成蛋白質や基質の輸送機序などはほとんど解明されておらず、その存在自体も不確実である。当応募課題の研究目的は、ペルオキシソーム-小胞体間の膜接触部位の構成蛋白質を同定し、膜接触部位がペルオキシソーム-小胞体間に存在することを証明することである。そのため、まずペルオキシソーム-小胞体間において近接部位が存在することを証明するために、物理的近接タンパク質を検出するProximity Ligation Assayを用いて固定細胞におけるペルオキシソーム-小胞体膜間で膜近接部位が存在することを証明した。次に、遺伝子トラップ法で作製されたヒト一倍体変異細胞プールから、未濃縮変異細胞プールとMCS機能欠損細胞を特異的に濃縮することを試みた。この濃縮方法は、これまでCHO細胞でペルオキシソーム変異細胞を樹立した実績のある方法であるが、当実験で用いたヒト一倍体細胞では、うまく濃縮が効かなかった。そこで、膜接触部位を直接検出するために、分割タンパク質システムを構築することを試みた。その結果、分割DHFRを用いて膜接触部位をセルソーターで定量的に評価できる系を樹立することができた。現在、最新の技術であるCas9/CRISPRシステムに基づくgRNAライブラリーを用いてペルオキシソーム-小胞体間の膜接触部位の構成蛋白質を網羅的に同定しようと試みている。
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