2014 Fiscal Year Research-status Report
小胞体ラフト構造:アポトーシス、オートファジー、脂肪滴の形成への関与
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26650066
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
多賀谷 光男 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (30179569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 佳津子 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (40266896)
若菜 裕一 東京薬科大学, 生命科学部, 助教 (90635187)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞体 / ラフト / syntaxin17 / オートファジー / 脂肪滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
ミトコンドリアと接する小胞体領域(mitochondria-associated membrane)にはラフト構造が存在するが、その性質や機能はよくわかっていない。本研究は、ラフトに存在するsyntaxin17(Syn17)とその結合タンパク質を中心とし、小胞体内ラフト構造の構築と動的性質を解明することを目的としている。本年度は以下の成果を得た。 1.アポトーシスにおけるSyn17の役割:アポトーシス刺激としてFasおよびスタウロスポリンを用い、Syn17発現抑制細胞を処理したところ、Fas刺激においては細胞死が有意に抑制されたが、スタウロスポリン刺激では抑制はまったく見られなかった。これは両者の作用点の違いによるものと考えられる。 2.オートファジーにおけるラフトの寄与:微小管およびSyn17の両方に結合するタンパク質を同定した。そのタンパク質の発現を抑制すると、栄養条件下でもオートファゴソームの形成が起こることがわかった。微小管脱重合剤であるvinblastineも、栄養条件下でオートファゴソーム形成を促すので、現在、Syn17結合タンパク質に対するvinblastineの効果を調べている。 3.脂肪滴形成におけるSyn17の役割:Syn17の発現抑制によって脂肪滴は減少するが、その効果を回復させるためには、Syn17のSNAREおよびそれ以降のC末端領域が必要であることが分かった。それゆえ、Syn17は膜融合とそれ以外の機能の両方で脂肪滴形成を促していると考えられる。Syn17の発現抑制によって細胞のトリアシルグリセロール量は減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Syn17と結合する新たなオートファジー調節因子の同定がほぼ確実となっている。また、脂肪滴形成におけるSyn17の関与についてもかなり解明を進めることができた。一方、MAMのラフト構造全体の解析については、今年度はほとんど手をつけることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、当初の計画どおりに研究を進めて行く。平成27年度は以下の研究を進める。(1)Syn17を含むラフト構造の単離とラフト局在タンパク質の同定。(2)種々のアポトーシス刺激に対するラフト局在タンパク質発現抑制の効果。(3)Syn17と結合する微小管関連タンパク質のオートファジー調節機構の解明。(4)Syn17およびラフト局在タンパク質の脂肪滴形成機構の解明。
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Research Products
(4 results)