2014 Fiscal Year Research-status Report
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26650067
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村越 秀治 生理学研究所, 脳機能計測・支援センター, 准教授 (90608142)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 光操作 / キナーゼ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、PKCやPKAなどのキナーゼ分子に着目し、これらの分子の活性を青色光照射で、“ミリ秒レベルの時間分解能”と“マイクロメートルの空間分解能”で直接制御できるように遺伝子改変する。また、作製した光感受性分子を生細胞内で、光照射により活性化させ、シグナル伝達経路を選択的に活性化したときの応答を調べる。 現在までに、我々が選択したキナーゼ分子について、植物タンパク質であるPhototropin1のLOV2ドメインを用いることにより、光照射依存的にキナーゼ活性を上昇させることに成功しつつある。具体的には、キナーゼ下流にLOV2ドメインを様々なリンカー配列を用いて遺伝子工学的に挿入した。各種分子をHeLa細胞に発現させ、光照射することにより、基質のリン酸化が起こるかどうかをキナーゼアッセイにより調べた。これにより、以下の2点を満たすような分子を選別した。1,光非存在化ではLOV2ドメインがキナーゼの触媒ドメインに直接結合しており、その活性を阻害している。2,光照射によって、LOV2ドメインがキナーゼより解離し、キナーゼ活性が上昇する。このようにして現在までに光応答性キナーゼ分子のプロトタイプを得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、シグナル伝達経路を選択的に活性化しその表現型を調べるという全く新しい方法論を提案することである。現在までに光応答性キナーゼ分子のプロトタイプを得ることに成功しており、生細胞内でシグナル伝達経路を選択的に活性化するためのツールが完成しつつあるため、予定通りにおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
現在までに得られている光応答性分子についてさらに詳細な解析を進めて行く。特にFRET法を用いることにより、光照射による分子構造変化を直接調べることで活性化時間等を明らかにする。また、光応答化により、基質の特異性が変化していないかどうかをキナーゼアッセイにより調べる。
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Causes of Carryover |
助成金の一部を消耗品代として次年度に使用する必要が生じた為。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
消耗品代として使用。
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