2014 Fiscal Year Research-status Report
精子幹細胞を標的にしたトランスジェニック爬虫類の作製
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26650084
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
野村 真 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10323007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 爬虫類 / トランスジェニック / モデル生物 / 遺伝子導入 |
Outline of Annual Research Achievements |
トランスジェニック爬虫類の作製技術確立のため、本年度は成体オスヤモリの精巣への遺伝子導入とF1個体への導入遺伝子の伝播の有無について検討した。導入遺伝子として、HindIII にて直鎖化した発現ベクター pCAGGS-mRFP 0.2ug/uL および 酵素未処理の Tol2 トランスポゼース (pT2TP および pT2AL-EGFP:1.0 ug/uL) をリン酸緩衝液に溶解し、すべて等量に混合した。その後、オスのマダガスカル産ソメワケササクレヤモリ (130822, 2013年8月22日孵化)を吸入麻酔 (イソフルラン、麻酔誘導 4%, 400mL/h) にて全身麻酔し、腹部を切開して精巣を露出させた。顕微鏡下で発現ベクター溶液を充填したガラスニードルを精巣内に突き刺し、マイクロインジェクターによって DNA を注入後、円盤状電極で精巣を挟み電気穿孔を行った。電気穿孔条件は 28V, 50ms pulse on, 950ms pulse off, decay 0%, で、6回の電気パルスで遺伝子を導入した。両精巣に電気穿孔を行った後、抗生物質入りの緩衝液を腹腔内に満たし腹部を縫合、0.1mLのキシロカインを注入しホットプレート上にて蘇生させた。当初最も危惧していた手術中および術後の死亡は回避することができた。一ヶ月後、3匹のメスヤモリ (140202-1,-2, -3)と交配させ、現在までに6個の胚を回収した。胚は蛍光顕微鏡下にて GFP および RFP の発現の有無を検討したが、現在までに蛍光遺伝子の発現が確認された胚は無い。また、胚よりゲノムDNA を採取し、PCR によるジェノタイピングを行ったが、現在までに発現ベクター由来の遺伝子の増幅は確認されていない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していたよりもメスの産卵数が少なく、また交配したメス3匹のうち2匹が産卵中に死亡した(死亡原因は不明)。またジェノタイピングの条件検討が非常に困難で、導入遺伝子のPCR擬陽性が多く判定に時間を費やした。最大の問題はヤモリのゲノム情報が公開されていないため、設計したプライマーに類似した内在性ゲノム配列の有無を検討できない点にあった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、さらに数匹の未成熟オス個体に遺伝子導入を行った後、精巣を単離してどの程度外来遺伝子が導入されているかを検討する。またF1 個体への外来遺伝子の伝播を引き続き検証するとともに、初期胚に対してレンチウイルスを感染させることによる遺伝子導入が可能かどうかを検討する。ジェノタイピング PCR 条件に関しては、新たなプライマーを数種設計して現在条件検討を行っている。プライマー配列の妥当性に関しては理研 CDB のヤモリゲノムプロジェクトと共同研究を行うことも検討している。
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Research Products
(7 results)