2015 Fiscal Year Annual Research Report
精子幹細胞を標的にしたトランスジェニック爬虫類の作製
Project/Area Number |
26650084
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
野村 真 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10323007)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | トランスジェニック動物 / 爬虫類 / 電気穿孔法 / 精子幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では医学・生物学研究の新しいモデル動物としてのトランスジェニック爬虫類作製技術の確立を目標とし、平成27年度は前年度に引き続きソメワケササクレヤモリ成体雄精巣へのプラスミドDNAの電気穿孔法による導入とメス個体との交配、産卵された卵からの胚の採取とジェノタイピングを行った。使用したプラスミドは前年と同様に直鎖状にしたmRFPベクターおよびTol2トランスポゾンGFPベクターを使用した。ジェノタイピングに使用していたGFPおよびRFPプライマーがヤモリジェノミックDNA配列を認識してしまうことが判明したため、様々なプライマーを設計しPCR条件を検討した結果、外来遺伝子を特異的なサイズで増幅・認識できるプライマーセットを選別することができた。現在までに8個体のF1胚のジェノタイピングを行った結果、1個体にてmRFPプライマーで特異的に増幅されるバンドが検出された。また、別の2個体で、GFPプライマーによるPCR産物の増幅が確認された。これらの個体について頭部および体幹部の凍結切片を作製し、mRFP およびGFPに対する抗体を用いて免疫組織科学的手法により外来遺伝子の発現を検討したが、いずれの個体も蛍光タンパク質の発現は確認できなかった。従って、外来遺伝子が雄精子幹・前駆細胞のゲノムに挿入されたが、ゲノムの位置効果あるいはエピジェネティックな修飾により発現が抑制された可能性が示唆され、現在確認中である。また、別個体の雄を用いて精巣への電気穿孔を行い1週間後に精巣を摘出し、蛍光顕微鏡にて観察した結果、精細管内部にmRFPおよびGFPの発現を確認することができた。以上の結果を総合すると、爬虫類の成体雄精巣への遺伝子導入によるトランスジーンの次世代への伝播は不可能では無いが、今後はより遺伝子導入効率の高いウイルスベクターの使用や産卵能力の高いメス個体の準備が必要であると思われる。
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Research Products
(8 results)