2014 Fiscal Year Research-status Report
ADAMTSプロテアーゼによる細胞移動制御におけるリボソーム蛋白質の役割
Project/Area Number |
26650086
|
Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
西脇 清二 関西学院大学, 理工学部, 教授 (30342827)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 器官形成 / 細胞外マトリックス / 細胞移動 / 線虫 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.RPL-20蛋白質の発現部位の解析: rpl-20遺伝子のコード領域にmCherryタグを融合したコンストラクトを作成し、発生過程における発現パターンを解析した。mCherryの蛍光は全身で見られたが、消化管で特に強く発現していた。細胞外に分泌されている可能性を考えたが、基底膜や体腔中のスカベンジャー細胞への局在は検出できなっかた。 2.変異型RPL-20がサプレッサーとして機能する細胞の解析: 我々はサプレッサー変異を持つrpl-20遺伝子を多コピーでmig-17変異体に導入すると、DTC移動異常をレスキューできることを見出している(未発表)。そこで、mig-17変異体において、サプレッサー変異を持つrpl-20遺伝子を種々の組織特異的プロモーターで発現した。その結果、DTC特異的(mig-24プロモーター)、筋肉特異的(myo-3プロモーター)、消化管特異的(elt-2プロモーター)のいずれで発現させた場合にも、DTC移動異常を抑制できることが分かった。また、消化管特異的に発現させると最も強い抑制が見られた。 3.翻訳促進因子の関与の可能性を検討: DTCの移動方向はUNC-40/DCCやUNC-5などの受容体を介して、ガイド分子UNC-6/netrinにより制御されている。UNC-6はDTCの基底膜付近でこれらの受容体に働くと考えられるので、mig-17変異体による基底膜異常がUNC-6シグナルを乱し、その下流の翻訳機構に影響を及ぼしている可能性が考えられる。そこで、翻訳促進に関与するgcn-1およびpek-1変異体とmig-17の二重変異体を作成した。しかしながら、mig-17変異体のDTC移動異常は抑制されなかった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
mCherry::rpl-20遺伝子を作成し、エンドのプロモーターによる発現を検討した。RPL-20はリボソーム大サブユニット(60S)のコンポーネントであることから、この遺伝子が全身で発現していることは理屈に合っている。変異型rpl-20の組織特異的発現によるmig-17変異体のレスキュー実験は予定通り完了した。DTC、筋肉、消化管のいずれで発現させてもレスキューできるという結果は大変興味深い。mCherry-RPL-20が細胞外に分泌されているとの証拠は得られていないが、何らかの分泌因子を介して、サプレッションが起こっている可能性を示唆するものである。RPL-20に対する特異的抗体作成とこれを用いた解析を予定していたが、まだ達成できていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
我々のこれまでの研究から、MIG-17の働きにより、生殖巣基底膜にFBL-1/fibulin-1がリクルートされ、さらにFBL-1がNID-1/nidogenをリクルートすることを突き止めている。そこで、変異型rpl-20組織特異的発現が、これらの分泌タンパク質の発現や局在に影響を与えているかを検討する。また、野生型および変異型RPL-20にFLAGタグを付加し、免疫沈降法と質量分析法によって結合タンパク質の差異を明らかにする。RPL-20抗体の作製を行い、免疫染色、ウエスタンブロット等による内在性のタンパク質および変異型RPL-20の局在や発現量の解析を行う。
|
Causes of Carryover |
平成26年度にRPL-20タンパク質に対する特異的抗体作成とこれを用いた解析をする予定であったが、mCherry融合遺伝子による発現解析などに時間がかかり、達成できなかった。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度経費は当初の予定通り、主として線虫および大腸菌培養用の培地、遺伝子工学関係の試薬やキット、質量分析などに使用する。これに加えて、26年度の繰越金を用いてRPL-20抗体の作製を行い、免疫染色等による内在性のタンパク質および変異型RPL-20との局在や発現量の比較を行う。
|
Research Products
(15 results)
-
[Journal Article] The BED finger domain protein MIG-39 halts migration of distal tip cells in Caenorhabditis elegans.2015
Author(s)
Kikuchi, T., Shibata, Y., Kim, H.-S., Kubota, Y., Yoshina, S., Mitani, S. and Nishiwaki, K.
-
Journal Title
Developmental Biology
Volume: 397
Pages: 151-161
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] BLMP-1/Blimp-1 Regulates the Spatiotemporal Cell Migration Pattern in C. elegans.2014
Author(s)
Huang, T-F., Cho, C-Y., Cheng, Y-T., Huang, J-W., Wu, Y-Z., Yeh, A. Y-C., Nishiwaki, K., Chang, S-C., and Wu, Y-C
-
Journal Title
PLoS Genetics
Volume: 10
Pages: e1004428
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
[Journal Article] The novel secreted factor MIG-18 acts with MIG-17/ADAMTS to control cell migration in Caenorhabditis elegans.2014
Author(s)
Kim, H-S., Kitano, Y., Mori, M., Takano, T., Harbaugh, T. E., Mizutani, K., Yanagimoto, H., Miwa, S., Ihara, S., Kubota, Y., Shibata, Y., Ikenishi,K., Garriga, G., and Nishiwaki, K.
-
Journal Title
Genetics
Volume: 196
Pages: 471-479
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-