2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集技術による陸上植物転写制御システムの解明
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26650095
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河内 孝之 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (40202056)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / ゲノミクス / CRISPR/Cas / 植物分子遺伝学 / 転写制御 |
Outline of Annual Research Achievements |
陸上植物は、進化的に緑藻から多細胞化して誕生した車軸藻類を祖先とし、陸上に進出したあと多様な環境応答や形態形成を獲得した。進化的に重要な位置にあるコケ植物を研究することで、制御原理の解明が容易になると期待される。本研究課題では苔類ゼニゴケの転写因子遺伝子を網羅的に収集して俯瞰すること、ゲノム編集技術を用いて効率的に制御実体を解析する方法を開発することによって、陸上植物進化に迫るモデル生物の実験系の確立を目指した。 ゼニゴケには2万弱のタンパク質コード遺伝子が存在する。この数は陸上植物では最小クラスである。転写因子は300余りであり、冗長性が少ないことがわかった。植物は根茎葉や維管束といった複雑な器官を獲得するに伴って転写因子の数を増やした可能性が示された。一方で遺伝子のファミリー数は差がないことから、陸上進出の時点で基本的な制御系を保有していたことが示された。 次に効率的な遺伝子機能解析を行うために、CRISPR/Casによるゲノム編集法の効率化を進めた。さまざまな試みのなかでCas9遺伝子のコドンを最適化することがゲノム編集の効率化に寄与することがわかった。その結果、ガイドRNAや標的遺伝子によって効率は異なるものの、平均的には得られた形質転換系統の70%程度で変異体が得られた。モザイクとみられる個体もあったが、分離した時点で純系のものも見られた。無性芽形成という1細胞からの再生系を介することで、純系が容易に確立された。また、ガイドRNAの長さの検討やオフターゲットを調べた。また、汎用性の高いベクターを構築し、ゼニゴケゲノム編集実験系を確立させることができた。ゼニゴケの半数体が優占的で無性繁殖も可能な生活環とゲノム編集実験は極めて相性がよいことがわかった。現在は、転写因子遺伝子のゲノム編集が極めて効率的に行えるようになっており、当初目指した目標を達成することができた。
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[Journal Article] Development of gateway binary vector series with four different selection markers for the liverwort Marchantia polymorpha2015
Author(s)
Ishizaki, K., Nishihama, R., Ueda, M., Inoue, K., Ishida, S., Nishimura, Y., Shikanai, T., and Kohchi, T.
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Journal Title
PLOS One
Volume: 10
Pages: e0138876
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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