2014 Fiscal Year Research-status Report
ユリのリンカーヒストン遺伝子を活用した耐乾性植物の開発
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26650103
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| Research Institution | Yokohama City University |
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Principal Investigator |
田中 一朗 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 教授 (60175445)
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| Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 遺伝子 / 環境 / 植物 / ストレス / バイオテクノロジー |
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| Outline of Annual Research Achievements |
すでに作成済みであった３種類の形質転換タバコ（テッポウユリ花粉内の雄原細胞核に豊富に存在するリンカーヒストンH1の変種gH1, gH1とGFP, テッポウユリの減数分裂期に特異的に発現するヒストンH1変種mH1をそれぞれタバコに遺伝子導入したもの）を用いて、各種環境ストレス（低温、浸透圧、酸化、乾燥、塩分、ホルモン）下での耐性を野生株と詳細に比較した結果、予備実験と同様、顕著な乾燥耐性付加が葉において認められた。あいにく、チャノキのヒストンH1をタバコに導入した論文が同時期に出版された（Wang et.a., 2014）が、その論文では、ヒストンH1が複数の環境ストレスへの耐性に寄与するのに対し、我々の研究結果は乾燥耐性特異的であった。このことは、シロイヌナズナやトマトなどで知られている乾燥ストレス特異的に発現するヒストンH1変種の知見と一致する。
さらに、同じテッポウユリのヒストンH1変種であっても、乾燥耐性付加がみられるのはgH1のみであり、ヒストンH1変種のなかでも特異性があることが示唆された。
ただし、乾燥耐性付加に至る要因や過程については、形質転換タバコと野生株の葉の気孔の密度や孔辺細胞の大きさなどを形態学的に比較したが顕著な差はみられず、明らかにすることはできなかった。しかしながら、GFPを同時に導入した形質転換タバコではGFP蛍光の核局在が顕著なことから、テッポウユリのgH1は、核局在することによって直接タバコに乾燥耐性を付加すると推察された。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験ならびにその推察がほぼ当たっていることが確かめられたので、２年目の研究実施計画にこのまま入っていくことができる。
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| Strategy for Future Research Activity |
テッポウユリのリンカーヒストンH1変種（gH1）の導入によるタバコへの乾燥耐性付加が他の植物種にも適用できるかどうかを、モデル植物のシロイヌナズナを初めとして各種形質転換体を作成してその影響を調べる。自前での形質転換体作成が困難と予想されるものについては外注を予定している。また、乾燥耐性付加がgH1特異的であることを検証するために、テッポウユリの主ヒストンH1を導入した形質転換タバコの作成も行う。
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| Causes of Carryover |
タバコ以外の形質転換体の作成を外注の予定であったが、残金だけでは不足であった。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度分と合わせて、形質転換体作成の外注費用に当てる予定である。
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