2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26650121
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
伊藤 浩史 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), 助教 (20512627)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上妻 多紀子(中村多紀子) 九州大学, 芸術工学研究科(研究院), その他 (70274545)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 生物リズム / 温度補償性 / ケンサキイカ / 色素胞 / 概日リズム |
Outline of Annual Research Achievements |
24時間周期で繰り返される生命現象は概日リズムと呼ばれる。生物種を超えて概日リズムで広く共有されている性質として、温度を変化させても周期が変わらない「温度補償性」と呼ばれる性質がある。一般的な生化学反応は温度を10度上げると2倍になるが、そのような生化学反応の総体としてできている概日リズムが温度不依存性を示すのは、この分野の大きな謎として知られている。
温度補償性が他の生物リズムでも見られるかどうか、という観点から温度補償性のメカニズムを検討した。ケンサキイカの色素胞の収縮リズムを題材に温度を変化させたところ、明確な温度補償性のある領域はなかった。温度を低温にさらすと、サドルノード分岐とよばれる現象を起こしてリズムが停止することがわかった。すでに、研究代表者の低温下では概日リズムはホップ分岐を介してリズム停止が起こることを発見しており、分岐現象の種類と温度補償性の性質が結びついていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画であったケンサキイカ色素胞リズムには温度補償性は見いだせなかったが、 そのメカニズムとして、分岐理論から説明できることを示した。 本成果に基づいて論文を執筆中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度では論文の出版を計画している。 また、電気刺激による色素胞リズムのコントロールなど、電気生理実験を計画している。
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