2016 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of circadian clock gene in eukaryotic cell
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26650128
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
沓名 伸介 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科(八景キャンパス), 准教授 (30315824)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 植物生理 / 概日時計 / 遺伝子発現 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、花弁運動突然変異体3つの変異がそれぞれ異なる遺伝子座にあること、概日時計遺伝子群(CCA1, LHY1, TOC1)では、それらの発現がいずれも有意に減少していることを遺伝学会や植物生理学会において報告した。また、それら以外の概日リズムに異常が生じているかについて、発生段階としては初期の芽生えの運動リズムを解析した。興味深いことに、それらの芽生えの子葉の就眠運動の概日リズムがきわめて減弱したものが見つかっただけでなく、野生型との差がみられないものが見つかった。これらは、概日時計が発生の影響を受けにくくするための核内機構の存在を暗示するとすれば、これまでの概日機構のとらえ方に一石を投じることになろう。最終年度にあたる平成28年度には、そのうちの一つの変異体のゲノム解析を中心に研究を実施した。3つの突然変異体のゲノムシーケンスを決定した。さらにPCR法を利用した遺伝学的分子マッピング解析によって、一つの変異体の塩基変異部位をラフマッピングできた。この領域を2つの変異体間で比較したところ、いくつかの塩基置換を認めることができた。これらの塩基置換のいずれかが変異の原因であると考えられるので、それらにT-DNA挿入された形質転換体系統を複数、種子バンクから取り寄せた。それらの花弁運動を解析したところ、運動が野生型にくらべて有意に減弱していることを確認した。今後は、過剰発現株の作成、T-DNA挿入株と変異株の遺伝子相補解析、野生型原因遺伝子の発現解析を行う。成果報告においては、平成29年に、花弁運動突然変異体の発見について原著論文として科学雑誌投稿を行う。また、変異遺伝子の発現産物の生化学的、細胞生物学的解析を引き続き実施する。それ以外の変異体2つについても変異遺伝子マッピングをおこない、原因遺伝子の特定をおこなう。
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